(この記事は2020年7月2日に執筆しました。)
前回、金融の基礎知識として「株価指数とは」を解説しました。
<前回の記事>
「株価指数」についてご理解いただいた前提で、改めて前回の冒頭のクイズを解いてみましょう!
【クイズ】
私たちが皆様の「投資・運用を生活に取り入れた、長期的な資産づくり」をサポートするうえで、必ずチェックしているデータに「主要な株式指数」があります。
この2020年4~6月の四半期で、次の日米の主要株式指数のうち、最も値上がり幅が大きかったのはどれでしょうか?
① 日経平均株価
② TOPIX(東証株価指数)
③ NYダウ(ダウ平均株価)
④ S&P500
⑤ ナスダック総合
↓↓↓
↓↓↓(答えはこちら)
↓↓↓
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正解は、⑤です。
今回は、「なぜ⑤ナスダック総合の値上がり幅が最も大きかったのか」について一緒に考えていただきたいと思います。
また、「そもそもなぜ4~6月の株価の動きにFPが注目したのか」も合わせて見ていきましょう。
2020年4~6月の各株価指数の動き
まず、単純に上から順に数字だけ見ていくと、下記の通りです。
① 日経平均株価
3月末 18,917.01円
6月末 22,288.14円 +3,371.13円(+17.82%)
② TOPIX(東証株価指数)
3月末 1,558.77ポイント
6月末 1,403.04ポイント +155.73ポイント(+11.10%)
③ NYダウ(ダウ平均株価)
3月末 21,917.16ドル
6月末 25,812.88ドル +3,895.72ドル(+17.77%)
④ S&P500
3月末 2,584.59ポイント
6月末 3,100.29ポイント +515.70ポイント(+19.95%)
⑤ ナスダック総合
3月末 7,700.1ポイント
6月末 10,058.77ポイント +2,358.67ポイント(+30.63%)
各メディアの報道によると、四半期の値上がり率としては、日経平均が約7年ぶり・NYダウが約33年ぶり・ナスダック総合が約20年ぶりとなったようです。
2020年4~6月の値上がり幅が大きかった理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、各国で渡航禁止・外出制限等で経済活動が一気に停滞してしまったことから、各企業の業績が急激に悪化。
それをみて将来を不安視する人で覆いつくされた株式市場では、2月下旬頃から株価大暴落が発生しました。
3月中旬~下旬には日米の株式市場で「底値」をつけ、2月上旬~中旬の株価のピークからすると、▲30~40%に達する“10年に一度くらい”の大暴落です。
(そのため、“コロナショック”といわれています。)
ところが「株式市場全体がパニック状態で、株が安くなりすぎている」と考えたプロ投資家・一般投資家も多かったようで、その後段々と株価は戻していきます。
そして、各国の都市封鎖(ロックダウン)や外出制限等の規制が解かれ始め、経済活動が再開される見通しとなってくると、株価は急ピッチで回復していきました。
米国の失業率等の「雇用統計」は景気の実態を掴む上で株式市場関係者から注目されていますが、その失業率は4月が14.7%・5月が13.3%と、戦後最悪水準に留まっているにも関わらずです。
これは、各国が大規模な財政出動や金融緩和を行ったことにより、「思ったより経済の回復は早いかも」という期待もあってのことと考えられています。
前述のとおり米国では何十年ぶりの四半期上昇率ですから、それだけ今回のコロナショックからの株価回復スピードがとても速かったことを表しています。
それもあって、「逆に実体経済よりも株価が高くなりすぎでは?」と感じるプロ投資家・一般投資家も多かったようで、この4~6月は株価が乱高下する状態が続いていました。
特にナスダック総合の上昇率が一番高かった理由
前回の記事でも触れましたが、NASDAQは新興企業向けの株式市場で「電子株式市場」ともいわれており、現在ではIT業界をはじめ世界各国の新興企業の動向を掴むうえでの重要な指標とされています。
実際NASDAQには、GAFAといわれる「Google、Apple、Facebook、Amazon」や、マイクロソフト、インテル、ペイパル、テスラ、Zoomなど
そうそうたるIT企業・新興企業が名を連ねています。
この記事をご覧になっている方もご存知かと思いますが、コロナ禍で逆に業績を伸ばした企業の代表例には、まさにAmazonやZoomのようなIT企業であったり、「暮らし方・働き方等の変化」に対応するサービスを生み出す企業が挙げられていますね。
「人と会うリスク」「外出するリスク」「移動するリスク」
が突如として顕在化したので、非対面サービス・自宅で消費できるサービスがこれまで以上に必要とされる時代に入ってきました。
その将来性もふまえて、IT企業や新たな付加価値を生み出す新興企業の株価が急上昇した、というわけです。
なぜ、私たちFPが4~6月の値上がりに注目したのか
本当の理由
実は、今回はただ単に株価の動きを細かく分析したかったわけでも、それをふまえて将来の株価を予測したかったわけでもありません。
株価の動きは、専門家といわれる人たちによっていつも「後付け」で説明されるものですし、その説明もいろんな専門用語を織り交ぜているから“なんとなくプロっぽい”だけであって、実際それが理由で株価が動いたかどうかなんて、誰も証明できません。
(様々な要因が複雑に絡み合って、動くものだからです。)
と言いながらザックリとだけ4~6月の動きを解説しましたが、一般生活者の方には「なんとなく」掴んでおいていただくだけで十分だと思います。
それよりも伝えたいのはこれ!
「大幅下落があっても、大幅上昇があっても、一喜一憂してはダメですよ」
ということです。
投資・運用で成果を得るための大原則
これまでの記事やセミナー・FP相談等でも毎回のようにお伝えしていますが、投資・運用で成果を出すためには「長く続けること」が最大のポイント。
ニュースやネット上でワーワー騒がれているときこそ、冷静に・淡々と投資を続けていくことが、本当に本当に重要なのです。
(特に、ドルコスト平均法が働く「つみたて投資」であれば、なおさら!)
それにも関わらず、多くの人はこうした“荒れ相場”が来ると過剰な不安や期待を持つようになり、「短期的に成果を出そうとする、投機的な(ギャンブル的な)アクション」を起こす傾向にあります。
そうしたやり方は、ほとんどうまくいきません。
仮に1,2回うまくいっても、長期的には損失を膨らませていく人がほとんどです。
私たちの記事を読んでいただいているみなさんには、絶対にそうなってほしくないので、ぜひ「投資・運用は長期的視点で」と改めて思い起こしていただきたいと思います。
荒れ相場で適切な行動をとれれば、成果は後から付いてくる
今回は多くの方に興味を持っていただきたく、あえて「株価の大幅な上昇」について取り上げてみました。
コロナショックのような荒れ相場は、むしろ「今まで投資に興味がなかった人」が始めるキッカケになるなど、良い側面もたくさんあります。
<この記事でも触れています>
しかし、「ちょっとした小遣い稼ぎ」のつもりで儲けようとすると、痛い目を見ることになります。
そうではなく、「長い時間をかけて、教育資金や老後資金をふやしていく」ために、ぜひ投資・運用を初めてみてはいかがでしょうか?
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※つみたてNISAやiDeCo/イデコ、企業型確定拠出年金、変額保険等を活用
そんなあしたばで長期投資を始めた方々が、この4~6月をどんな姿勢で乗り越えたかというと、、、
それはもう素晴らしかったです。(サポートしてきた側としては、泣けました)
実際、弊社お客様の4~6月の運用データを抽出してみると、そのことが顕著に分かる結果が出ました。
今回はまた更に続きます。(ごめんなさい)
<続きはこちら>
動じることなく、粛々とつみたて投資を続けてこられた「あしたばのお客様の投資・運用実績」がどうなっているのか?
ぜひそこから、
「投資・運用を生活に取り入れるうえでのヒント」を掴んでいただければと思います!
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