「私たち20代が老後を迎える頃には、年金がもらえないかもしれない。今からiDeCo(イデコ)とかで老後資金の積立を始めておくべき?」
「iDeCo(イデコ)はお得だけど、60歳まで出せないと聞いた。20代から始めるのはまだ早い?」
この記事は、そんな疑問をお持ちの方向けの内容です。(2~3分程度でお読みいただけます)
私たちは、20~30代前後の「これから資産をつくっていく世代(資産形成層)」の方を中心にサポートする、金融業界の中では珍しい分類に入るFP(ファイナンシャルプランナー)です。
20代の方からのご相談をお受けする時に、よくある質問が「iDeCo/イデコ(個人型確定拠出年金制度)を始めるべきかどうか」について。
始めるべき・始めなくていい
という判断は個人の自由ですが、FPとして「このケースはこう」とアドバイスできることはあります。
今回は、ポイントを絞ってそれをお伝えしたいと思います。
とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。
まずは、老後資金をつくる優先度について考えよう
iDeCo(イデコ)は、「老後資金を積み立てていく制度」です。
「60歳まで引き出すことはできない」というルールのもとで、自分でお金を出して老後資金の積立をしていき、「頑張って積立をした金額に応じて税金が安くなる」というボーナスをもらえます。
20代の方にとっては60歳まで30~40年もあるわけですから、「それまで全く引き出すことができない」積み立てをするには覚悟が必要。
ライフプランが多様化しているとはいえ、一般的に結婚・出産・子育ての資金として使うことができないお金を積み立てることになるので、まずは「老後資金をつくる優先度」について考えておくべきでしょう。
「老後」「年金」についての考え方は人それぞれ
私たちはよく20代の方からご相談をお受けしますが、「老後と言われてもだいぶ先なので、ピンとこない」という人もいれば、「どうせ私たちの世代は年金なんてもらえないだろうし、すごく不安」という人もいます。
一つの物事に対して様々な考え方があって良いと思いますし、ましてや「老後」「年金」についての考えは「今後の政治・経済の展望」と密接な関係もありますので、正解はありません。
なので、ご自身が「老後」「年金」に対してなぜそのように思うのか、理由を考えてみてください。
ご家族や周りのお友達・勤務先の先輩と話してみると良いでしょう。
私たちのような「お金の専門家」であるFPに相談してみるのもオススメです。
老後資金づくりの優先度に応じた、iDeCo(イデコ)の加入方針
上記をふまえ、老後資金づくりの優先度が高い(強いニーズがある)場合と、優先度が低い(強いニーズがない)場合に分けて、iDeCoに加入すべきかどうかを検討してみましょう。
①老後資金づくりの優先度が高いケース
結論から言うと、この場合は「iDeCo(イデコ)を早く始めるべき」です。
iDeCo(イデコ)は、老後資金づくりというテーマに絞り込むなら、「最も適した制度・商品」と言っても過言ではありません。
詳細は以下の記事を参考にしていただきたいのですが、60歳まで出せないことで逆に「強制力」をもって着実にお金をふやしていくことに繋がりますし、他の制度・商品と比べても極めて大きい「税優遇」を受けることができるからです。
②老後資金づくり優先度が低いケース
この場合は、「無理にiDeCo(イデコ)を始める必要はない」と考えられます。
「年金制度はいつか破綻する」「老後資金は●千万円準備しないと大変なことになる」
と人々を煽るWEB上の記事等も見かけますが、過度に心配する必要はありません。
20代の方にとって、「スキルアップ」「キャリアップ」や「結婚」「子育て」など老後よりもっと近い未来を充実させるために、お金を蓄える優先度の方が高いケースも多いでしょう。
もちろんゆくゆくは早めに老後資金づくりを始めることをお勧めしますが、まずは優先度が高いことから取り組みましょう。
具体的には、つみたてNISAなどが選択肢に
iDeCo以外の「お得な積立制度」として、つみたてNISAがあります。
詳細は以下の記事で解説していますが、非課税期間20年・限度額は年間40万円の“積立専用”少額投資非課税制度。
商品を国が厳選していて、コストも低く、投資未経験者・初心者の方が「お得な仕組みを使って、とにかく投資を始めてみる」にはピッタリの方法です。
また、つみたてNISAは「いつでもストップできる・換金(解約)できる仕組み」のため、iDeCoのような引出制限を受けません。
「5~15年後くらいの短中期資金」にも活用できるので、老後資金よりも短中期資金の優先度が高い20代の方にとっては、大きなメリットになるでしょう。
ただし、逆にiDeCoのような「強制力」がないとも言えます。
これは「資産を育てていく」という側面から見ればデメリットにもなりますので、よく理解しておくと良いでしょう。
【最後に】20代の方に伝えておきたい「注意点」
価値観とニーズは変わっていくもの
20代の方は単身者(独身者)も多く、これから家庭を築き、出産やマイホーム取得などのライフイベントが待っているはずです。
そうしたライフイベントや社会生活を経るにつれて、価値観やニーズも変化していきます。
もちろん、「老後」や「年金」に対しての価値観やニーズも。
「私は結婚していないし、今のところする予定もありません。もしずっと独りだった時のためにどんどん貯金しておきたいです!」
と相談に来た人が、結婚・出産した途端に考え方も相談内容も180度変化。
こんな事例はザラにあります。
「老後資金づくりが一番重要 → 教育資金づくりが一番重要」に変わることもあれば、「教育資金づくりが一番重要 → 老後資金づくりが一番重要」に変わるケースもあるのですよ。
よって、価値観・ニーズは今後のライフイベントなどを機に大きく可能性があるということは、ぜひ理解しておいていただきたいと思います。
「●●だけに集中」は良くない
「とにかく老後資金をつくらなくては」といったように、一つに集中し過ぎることはお勧めしません。
前述の通り、20代の方であれば、老後までにきっと様々な出来事が起こるでしょう。
「子供が生まれた」「マイホームを買った」「転職した・失業した」「若くしてガンに罹患した」などなど。
老後にばかり目を向けた資産作りをしていると、老後よりも前の短中期資金のニーズや急な資金ニーズに対応できなくなる可能性があります。
とはいえ逆に、目先にばかり集中していれば、「老後資金の準備を何もしないまま50代になっていた」こんなことにもなりかねません。(実際、よくあるケースです)
よって、ある程度はiDeCoなどの強制力が高い制度・商品を取り入れ、ある程度は手元の預貯金やつみたてNISAなど換金性の高い制度・商品も取り入れるといった
「バランスのとれたプラン」を組み立てていくのがベストです。
実際にアクションを起こすときには、ぜひ私たちのような「お金の専門家」のアドバイスを受けてみましょう。
初心者向けのセミナーを受けてみるのも良いですね。
iDeCoに加入するにしてもしないにしても、この記事を読んでいただいたあなたが「将来を豊かにするための第一歩」を踏み出すことができたら、とても素晴らしいことだと思います!
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo・つみたてNISA等の活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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