「iDeCo(イデコ)を始めようと思うけど、窓口はどこにしたらいいのだろう?」
「金融機関(運営管理機関)を選ぶ時のポイントは?」
この記事は、そんな疑問・ニーズがある方向けの内容です。
複数回にわたって「iDeCoの始め方(やり方)」を解説していますが、前回の「他の制度・商品との比較」に続いて、今回は「窓口(金融機関等)の選び方」について詳しくお伝えしていきます。
※前回の記事はこちら(↓)
正直なところ、一般的な制度説明チラシやネット上の記事など他では書かれていない視点も取り入れています。
私たちは「FP兼 金融証券仲介業者(IFA)兼 保険代理店」として現場で実務をこなしているから、お伝えできるのです。
ぜひ、しっかりと確認しておきましょう!(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
窓口(金融機関等)を選ぶ時のポイント
iDeCoに加入するためには、窓口となっている金融機関等(「運営管理機関」といいます)で所定の手続きをする必要があります。
金融機関による主な違いは、次の3つです。
- 口座管理手数料(コスト)
- 運用商品のラインナップ
- サポート体制
一つずつ、ザっと見ていきましょう。
ポイント① 口座管理手数料(コスト)
iDeCoに加入すると、必ず所定の手数料がかかります。
- 加入時
- 加入している間
- 拠出(積立)を停止している間
- 他の金融機関に移換する(移す)時
- 最終的に受給する(受け取る)時 など
どのシーンでも手数料がかかるようになっています。
その中でも特にポイントとなってくるのが、 2つ目の「加入している間」に払う口座管理手数料。
上図にある「国民年金基金連合会」と「事務委託先金融機関である信託銀行」に支払う手数料はほぼ一律なのですが、
「窓口となる金融機関等(運営管理機関)」に支払う手数料は、その金融機関によって大きく異なります。
口座管理手数料は「運用状況と関係なく負担し続けるコスト」であるため、できるだけ低い金融機関等を選ぶことをお勧めしています。
そのため、金融機関選びにおいて口座管理手数料の違いは重要なポイントになってくるのです。
ポイント② 運用商品のラインナップ
iDeCoは「掛け金の運用方法を自分で決める制度」となっており、金融機関等(運営管理機関)が用意したラインナップの中から、投資信託などの運用商品を選択する必要があります。
そのラインナップは金融機関等によって大きく異なるので、この点も窓口を選ぶ際のポイントになるのです。
商品数は20本前後が多数派で、少なくとも5本程度、多いところでは35本程度の商品が用意されています。
※ラインナップのうち多くは元本割れリスクもある投資性商品ですが、ほとんどの金融機関等で1本は「元本確保型」の商品が含まれています。ただ、一部「元本確保型」を用意していないところもありますので、どうしても投資性商品を選びたくない場合はご注意ください。
(長期的な資産運用効果が全く見込めないため、「元本確保型」を選ぶことはお勧めしませんが…)
具体的にどの商品があると良いかは一概に言えませんが、次の点を意識しておくと良いでしょう。
インデックスファンドを活用したい場合
インデックスファンドの運用は「日経平均」や「MSCIコクサイ」などの指数をベンチマーク(基準)として連動させるため、同じベンチマークの商品であれば、運用成果はほとんど同じです。
そのため、インデックスファンドの場合は「運用コスト(信託報酬)の差が運用成果の差になる」といっても過言ではありません。
よって、インデックスファンドで運用したいのであれば、運用コストが低い商品を用意している金融機関等を選びましょう。
アクティブファンドを活用したい場合
前述の「日経平均」や「MSCIコクサイ」などの指数を上回る成果を目指し、運用会社の専門家に任せて投資するのがアクティブファンド。
このタイプの場合は、個々のファンドの力量によって投資成果が大きく変わってきます。
iDeCoに加入される方の資産状況や投資方針・考え方によって、向いている商品も異なりますので一概には言えませんが、、、
ぜひ「お気に入りのアクティブファンド」を見つけていただき、それをラインナップに用意している金融機関等を選ぶと良いでしょう。
※弊社では記事で特定の商品をお勧めすることはしませんので、個別のFP相談にいらした方でご希望があった場合に限り、ニーズに合わせてオススメのアクティブファンドをご提案しています。
※インデックスファンドとアクティブファンドの違いはこちら↓
ポイント③ サポート体制
窓口となる金融機関等によって、サポート体制も大きく異なります。
支店等で「iDeCoの活用方法」「書類の書き方」「商品を選ぶ上での考え方」等に関する対面相談に力を入れているところもあれば、
コールセンターでの対応を充実させたり、自社サービスと連動させて「iDeCoの資産と他の運用資産を一元管理」できるようにしているところもあります。
こちらもiDeCoに加入される方よって「向き・不向き」があると思われますので一概には言えませんが、窓口を選ぶ際の判断材料の一つと考えておきましょう。
窓口(金融機関等)の分類と特徴
どういった窓口から選ぶのか、ザックリとした分類は下記の通りです。
- 対面型の証券・銀行など
- 「非」対面型の証券・銀行など
- 保険会社
- その他
ここでは、一部具体的な社名を出しながら解説していきますので、窓口を選ぶ際の参考にしてください。(あくまでも、執筆者安藤の私見です。)
分類① 対面型の証券・銀行など
支店等で対面相談が可能な証券会社・銀行などです。
具体例
- 野村証券
- 大和証券
- りそな銀行
- 三井住友銀行
- 中央労働金庫(ろうきん)
- 各地銀
特徴
- 対面で相談ができるので、「相談できるFP等のアドバイザーがいない」かつ「手続きに不安がある・運用知識があまりない」という方にとって安心感がある
- 対面で窓口の担当者が対応する分、コスト(口座管理手数料等)が高めの傾向にある
ただし、コストについては対面にも関わらず低く抑える金融機関も増えてきています。将来的に他の自社サービスに繋げていくための布石、と捉えているのでしょう。
よって、対面型の証券・銀行等を選ぶ場合、「ゆくゆくは営業攻勢をかけられる可能性もある」と認識しておく必要があります。
向いている人・向いていない人
上記のとおり、「相談できるFP等のアドバイザーがいない」かつ「手続きに不安がある・運用知識があまりない」という方にはオススメです。
逆に、「相談できるFP等のアドバイザーがいる」方や「手続き等は自分でできるし知識も一定程度ある」という方は、オススメできません。
もっとコストが安く、営業攻勢をかけられる可能性も引い金融機関等を選ぶようにしましょう。
分類② 「非」対面型の証券・銀行など
「ネットで資料請求→書面で手続き→相談はコールセンターで」という流れをとる、証券会社や銀行です。
具体例
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
- イオン銀行
- ソニー銀行
特徴
- 対面で相談ができない
- コスト(口座管理手数料等)が低めの傾向にある
- 運用商品のライナップは充実している傾向にあるが、その分、知識・こだわりがない場合は選ぶのに労力がかかる
- 担当者も付かないので、他の商品・サービスの営業攻勢をかけられる可能性は低い
向いている人・向いていない人
上記特徴をふまえて、ニーズに合致する下記のような人が「向いている人」と言えます。
- 対面で相談できなくても、FP等の相談できる先がある。もしくは、自分で全部できるから相談できなくて構わない。
- とにかくコストが安い方が良い
- こだわりの運用商品がある
向いていない人は、「分類①対面型の証券・銀行に向いている人」と考えていただければOKです。
分類③ 保険会社
iDeCoの窓口(運営管理機関)になっている保険会社も多くあり、全て「対面型」です。
支店等で対面相談をするというよりは、「営業担当者」もしくは「代理店」がサポート役となるので、証券会社や保険会社とは別の分類としています。
具体例
- 第一生命
- 日本生命
- あいおいニッセイ同和損害保険
- 三井住友海上火災保険
特徴
前述の「分類①対面型の証券・銀行」の特徴と同じ、と考えていただいて問題ありません。
ただし、保険会社の担当者や代理店から勧められるケースがほとんどのはずですので、「既に営業攻勢はかけられた後」の可能性が高いという違いはありますが^^;
向いている人・向いていない人
こちらも、「分類①対面型の証券・銀行」の特徴と同じです。
その他
上記以外にも、投資信託を運用する「運用会社」や確定拠出年金の「運営管理機関」を専業とする窓口もあります。
手続きの流れは分類②と同様、「ネットで資料請求→書面で手続き→相談はコールセンターで」となっています。
具体例
- さわかみ投信
- お金のデザイン(MYDC)
- auアセットマネジメント
- SBIベネフィットシステムズ
- ジャパン・ペンション・ナビゲーター
特徴
前述の「分類②非対面型の証券・銀行」に近いのですが、一部異なります。
- 対面で相談ができない
- コスト(口座管理手数料等)はやや高め
- 運用商品のライナップは各社こだわりあり
- 担当者も付かないので、他の商品・サービスの営業攻勢をかけられる可能性は低い
向いている人・向いていない人
上記特徴をふまえて、ニーズに全て合致する下記のような人が「向いている人」と言えます。
- 対面で相談できなくても、FP等の相談できる先がある。もしくは、自分で全部できるから相談できなくて構わない。
- コストは高めでもOK
- こだわりの運用商品がある
向いていない人は、これらに1つでも当てはまらないものがある方です。
もしその場合は、分類①~③の窓口を選ぶと良いでしょう。
終わりに(気を付けていただきたいこと)
以上、iDeCoの窓口の選び方について解説しましたが、1つだけ最後にお伝えしたいことがあります。
それは、
ということです。
確かに手数料や商品ラインナップに違いはありますが、最終的な運用成果に与える影響はそこまで大きくありません。
むしろ、iDeCoはどんどん始めて「老後資金を貯める・増やすここと」「節税メリットを得ること」に意義があります。
「金融機関選びで迷っているうちに面倒くさくなってしまい、結局iDeCoを始められなかった」
というケースはご相談に来られた方でもかなり多いので、どうかそうならないようにしてくださいね!
次回は、iDeCoの掛け金の設定方法について解説します。
こちらも重要な情報をお伝えしますので、ぜひチェックしておきましょう。
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