一人暮らしを始めると、自由な生活が送れると期待を膨らませる方もいるでしょう。
ところがいざ一人暮らしを始めてみると、
「思った以上に支出が多い」
「なかなか貯金ができない」
などと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
今回は、一人暮らしをしている方の貯金額や貯金できない原因、確実に貯金するためのコツをご紹介します。
貯まる仕組みさえ作ってしまえば、無理なく継続できます。
経済的な余裕は心の余裕にもつながるため、この記事を参考にしながら貯め体質を目指しましょう。
一人暮らしの平均貯金額
一人暮らしの方は、どれくらい貯金しているのでしょうか。ここでは、平均値と中央値のデータを見ながら解説していきます。
データや各種統計を確認する際には、平均値と中央値の違いを知っておくことが大切です。
まず平均値とは、データの合計をデータ数で割ることで求められます。
例えば、クラスの生徒たちの身長を調べた場合、全員の身長を足して生徒の人数で割ると、クラス全体の平均身長がわかります。
一方、中央値は、データの集まりを小さい順から並べたときに、ちょうど真ん中に位置する値のことをいいます。
例えば、10人いる生徒のテストの点数がある場合、点数を小さい順に並べて、真ん中に位置する点数が中央値です。
平均値と中央値の違いは、データのばらつき具合です。
外れ値(極端に大きな値や小さな値)があると、平均値は大きな影響を受ける一方、中央値は、外れ値の影響を受けにくいです。
どちらの値を使うかは、データの性質や分析の目的によって異なり、平均値と中央値の違いをよく覚えておきましょう。
【年収別】一人暮らしの平均貯蓄額
お金に関することは友人や家族でさえも聞きづらいものです。
一人暮らしの貯金額は、どれくらいなのでしょうか。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、平均値が871万円、中央値が100万円です。
下記の表は、年収別による貯蓄額の平均値と中央値をまとめたものです。
年収 | 平均値 | 中央値 |
収入なし | 334万円 | 0万円 |
300万円未満 | 682万円 | 50万円 |
300〜500万円未満 | 796万円 | 200万円 |
500〜750万円未満 | 1,988万円 | 600万円 |
750〜1,000万円未満 | 3,054万円 | 1,283万円 |
1,000〜1,200万円未満 | 4,428万円 | 2,154万円 |
1,200万円以上 | 3,984万円 | 3,300万円 |
参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」(金融資産を保有していない世帯を含む)より作成
上記の表からもわかる通り、年収が高くなるほど、貯蓄額の平均値と中央値も増える傾向にあります。
ただし、年収750万円以上は回答者が少なく、偏りがある点を留意しておきましょう。
【年代別】一人暮らしの平均貯蓄額
収入によって貯蓄額には大きな差が生じることを理解した上で、続いては年齢によっても貯蓄額は変わるものなのか確認しましょう。
次の表は、年代別の平均値と中央値です。
年代 | 平均値 | 中央値 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 |
参考:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」(金融資産を保有していない世帯を含む)より作成
ご自身でも実感されるかもしれませんが、年齢が上がるにつれて貯蓄額も増える傾向にあります。
先ほど説明したように、平均値は極端に大きな数値があれば影響を受けるため、中央値が実態に合っていると考えましょう。
一人暮らしで貯金ができない原因は?
一見すると、自由に使える金額が多そうな一人暮らしですが、思うように貯金ができない方もいます。
一人暮らしで貯金ができない主な原因として、次の2つが挙げられます。
・固定費がかかりすぎる
・支出をセーブしてくれる人がいない
具体的にどういうことなのか、一つずつ見ていきましょう。
①固定費がかかりすぎる
一人暮らしの人が貯蓄できない理由として、固定費がかかりすぎる点があげられます。
固定費とは、毎月一定の支払いが必要な支出を指し、具体的には家賃や光熱費、通信費などがあります。
特に家賃は、一人暮らしにおいて最も大きな固定費と言えるでしょう。
都市部か郊外かによって家賃の相場は異なりますが、毎月必要になる固定費であることは変わりありません。
また、賃貸の場合は2年に一度、更新料を支払わなければならず、住まいにかかるお金が大きすぎることが原因で思うように貯蓄できないこともあるでしょう。
月々の家賃とは別に、大家さんに支払う手数料のことを更新料といいます。
また、家賃と並んで電気や水道、ガスなどの光熱費も生活に欠かせない支出です。
実家暮らしなら自分自身ですべての光熱費を負担するケースは稀でしょうが、一人暮らしは全て自分で支払わなければいけません。
家賃や光熱費といった固定費は、一度削減すると大きな節約効果があります。
収入に合った固定費になっているかどうか、確認してみましょう。
②支出をセーブしてくれる人がいない
支出を制限してくれる人がいないという点も、一人暮らしの人が貯蓄できない理由です。
一人暮らしでは、自分自身で収入と支出を管理する必要があるものの、金銭管理が苦手な場合、衝動買いや無駄遣いをしてしまうことがあります。
例えば、家族がいれば
「使いすぎじゃない?」
「買い物多くない?」
など止めてくれるでしょう。
ところが、一人暮らしの場合、自分で支出をコントロールする必要があるのです。
また、家族と一緒に住んでいる場合、「電気はこまめに消す」「水は流しっぱなしにしない」などのルールを決め、家計の節約について話し合うこともあるでしょう。
しかし、一人で暮らしていると、こういったことを意識して実行しない限り、なかなか気づかないものです。
そのため、自己管理が苦手な人は、毎月の予算を立てましょう。
予算を立てる際には収入と支出を正確に把握し、必要な出費と優先するべき項目を明確化します。
また、貯金の目標を設定するとモチベーションも上がりますので、併せて実践してみてください。
一人暮らしの貯金の目安はどれくらい?
一人暮らしの貯金額は、手取り額の10%を目標にしましょう。
実際に、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」によると、手取り収入からの貯蓄割合は平均で13%となっています。
給与が残ったら貯金するのではなく、給与が入ったら先に貯蓄に回すようにしましょう。
特に一人暮らしの場合、病気やケガで休職したときのリスクが大きいです。
予期せぬ出費に備えるためにも、少額でも継続的に貯金をすることが大切といえます。
なお、「手取りの10%でも難しい」という場合は、5%を目標に始めるのがいいでしょう。
いきなり無理して給与の半分を貯蓄に回してしまうと、貯金できなかった場合にモチベーションが下がり、続けられません。
手取りの10%を目安に確実に続けられる金額で始めましょう。
一人暮らしでも貯金するための4つのコツ
一人暮らしの方が継続して貯金するための具体的なコツを紹介します。
・適正な家賃の家に住む
・家計を見直す
適正な家賃の家に住む
まずは、収入に合った適正な家賃の家に住むことがコツです。
家賃は固定費の中でも大きな割合を占めるため、削減できれば家計にも余裕が生まれます。
昔は「家賃は収入の30%以下が目安」とされていましたが、物価が上がっている現在では、30%にすると家計が苦しくなります。
また、住まいに関するお金として管理費や共益費がかかる場合もあります。
管理費や共益費などの費用を含めて、手取りの25%以内におさめると、貯金もできるようになるでしょう。
家計を見直す
家計の見直しは、貯金の基本です。
収入と支出を把握することで、無駄な支出や改善の余地を見つけることができます。
また、支出を見直す際には「必要な支出」と「無駄な支出」を見極めることが重要です。
家賃や光熱費など、生活に欠かせない支出はありますが、その他の費目で節約することができます。
ただし、「何がなんでも貯金をする!」と削り過ぎてしまうと、生活の質が下がり、潤いがなくなってしまいます。
収入と支出のバランスを見極めながら、少しずつ貯金をしていきましょう。
固定費の見直し
固定費の見直しは、貯金をする上で大きな助けとなります。
固定費は一度見直すだけで節約効果が持続するため、最初に見直すようにしましょう。
例えば、スマートフォンのプランを大手通信会社から格安SIMに見直した場合、月数千円を節約できる可能性があります。
固定費は削ってもストレスが溜まらず、節約効果も目に見えやすいためおすすめです。「どこを削ったらいいかわからない」という場合には、弊社にお気軽にご相談ください。
変動費の見直し
変動費の見直しも、貯金をするためには有効です。
変動費とは、食費や娯楽費など、毎月金額が変動する費用です。
例えば、外食やテイクアウトを減らして自炊する、娯楽費は予算を決めて予算内で楽しむなどの方法があります。
ただし、変動費は生活の質に関わる部分です。
あまり削り過ぎてしまうと、ストレスになってしまいます。できる範囲で無理なく続けるようにしましょう。
無理のない範囲で少額から貯金を始めよう
今回は一人暮らしの方の貯蓄額や貯金できない原因、貯金するためのコツを解説しました。最初は少額でも、継続することが大切です。
貯金することは将来の安定や自由への一歩です。
しかし、貯金のために無理をしてしまうと、ストレスが溜まり、衝動買いをしてしまう可能性があります。
何事もバランスが大切です。収入と支出を正しく把握し、自分に合った貯金方法を見つけ、コツコツ取り組んでいきましょう。
もし、「何から見直したらいいかわからない」「なかなかお金が貯まらない」という方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
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