「今年も12月に駆けこみでふるさと納税するぞ!」
「収入はほぼ横ばいだし、去年と同じ限度額でいいかな」
このようにお考えの方も多いと思いますが、ちょっと待ってください!
収入が横ばい状態でも、ふるさと納税の控除の限度額が変わるケースがいくつかあります。
各自治体から返礼品がもらえるお得な制度。
うっかり上限額を超え、自己負担分が発生しお得感が薄れてしまった…という事態はできれば避けたいところです。
上手に制度を活用できるよう、ふるさと納税の利用方法や仕組み、限度額が変わるパターンを紹介していきます。
ふるさと納税の基本
ふるさと納税とは、生まれ育った故郷を離れても自分を育んでくれたふるさとに納税できる制度があってもいいのでは…という問題提起から生まれた制度です。
できあがった制度としては、故郷はもちろん、応援したい自治体、返礼品が魅力的な自治体など自分で好きな自治体を選ぶことができます。
「納税」という言葉が使われていますが、実際は「寄附」。
ふるさと納税で選んだ自治体に寄附をすると、原則として上限金額内であれば自己負担額の2,000円を除いた全額が寄付金控除の対象となります。
ふるさと納税の利用方法
ふるさと納税サイト(ふるさとチョイス、さとふる、楽天ふるさと納税など)を利用し、各自治体の返礼品がどんなものか、いくらぐらいの寄付金でもらえるのかをチェックしてみましょう。
自治体のウェブサイトから直接寄付できる場合もあります。
地域の特産品を中心に、精肉や魚介、お米やお酒などの食品類、トイレットペーパーや洗剤などの日用品類に、自治体の温泉の利用チケットなど、返礼品の種類は大変豊富です。
控除の上限額に合わせて、気に入った返礼品を組み合わせるもよし、思い入れのある自治体に集中的に寄付するもよし。
また、寄付金の使い道を指定できるので、「地元の子育て世帯を応援したい」「災害があった地域の復興に役立ててほしい」といった目的で寄付先を選ぶこともできます。
おすすめの返礼品を紹介しているブログなども多くあるので、楽しみながら選んでみましょう。
ワンストップ特例と確定申告
ふるさと納税をすると、面倒な確定申告が必要なのでは…?と、始めるのを躊躇している方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、「ワンストップ特例制度」を利用すれば確定申告は不要です。
寄付をする際にワンストップ特例を選択(ウェブサイト上でチェックボタン等があります)し、自治体から届いた申請用紙に必要事項の記入や本人確認書類の写しを貼付をして返送するだけ。
とても簡単なので、この制度を知れば一気にハードルが下がるのではないでしょうか。
しかし、寄付する先が5自治体を超える場合や、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告が必要な場合(住宅ローン控除を受ける、医療費控除を受けるなど)は、ワンストップ特例の適用を受けられずふるさと納税についても確定申告が必要になるので、覚えておきましょう。
限度額はどうやって決まる?
(出典:総務省ホームページ)
ふるさと納税は上記の通り、所得税と住民税からそれぞれ控除されます。
そして、この控除額には上限があり、上限を超えて寄付をした額は全額自己負担となります。
上限額は、ふるさと納税サイトのシミュレーターなどで確認することができます。
ざっくり、住民税額の20%程度が目安と言われていますが、実際の計算方法は複雑で、様々な要件によって変動します。
※上限額は所得が確定した後に決まるため、シミュレーターを利用して出た金額はあくまで「予測」となります。
収入が横ばいでも限度額が変わるケース
収入が横ばいであれば、毎回シミュレーションをしなくても前年と同額でふるさと納税をすればいいかというとそうではありません。
上限額が変動する要素は実は色々あります。
基本的には扶養家族が増えると上限額は減少します。
共働きのパートナーを育休中に扶養に入れたり、子どもが扶養親族(16歳~18歳)から特定扶養親族(19歳~22歳)になった、などのタイミングは特に注意しましょう。
なお、子どもが中学生以下の場合は控除額に影響はありません。
https://ashitaba-mirai.jp/29062021/9122.html
・住宅ローン控除を受けている
住宅ローン控除1年目は確定申告が必要になるため、ワンストップ特例が受けられません。
また、ふるさと納税をすると住宅ローン控除が満額受けられない、という場合もあります。
ふるさと納税の控除分だけ所得が低くなるため、所得税も減額され、その金額が住宅ローン控除よりも低くなると控除しきれなくなるのです。
年目以降は、他に確定申告が必要な要件がなければ確定申告は不要なのでワンストップ特例の利用が可能です。
・医療費控除、その他の控除を受けている
この場合も確定申告が必要であるため、ワンストップ特例が受けられません。
また、医療費控除を受けると課税対象である所得額が減少するため所得税・住民税ともに減額になり、ふるさと納税の控除上限額も減少します。
・生命保険に入った、保険料が変動した
生命保険の保険料を支払うと生命保険料控除の対象となる場合があります。その場合、所得控除の金額が増加し所得金額が減少するのでふるさと納税の控除上限額も減少します。
・iDeCo(イデコ)を始めた
iDeCoの積立分は所得控除の対象です。課税対象である所得額が減少するため所得税・住民税ともに減額になり、ふるさと納税の控除上限額も減少します。
いかがだったでしょうか。
このように、ライフステージが変わるタイミングは限度額が変わる場合が多いです。
他にも「控除」と名の付くものを受ける場合は気を付けたいところ。
毎年きちんとシミュレーションを行い、制度をお得に利用しましょう。
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