つみたて投資

ここ1週間ほどの株価乱高下について(つみたて投資家向け)

6月11日の米国株式市場で株価の大幅下落がありましたので、弊社でつみたて投資をされている「あしたば会員」のみなさまには、3ヶ月ぶりの“緊急アラートメール”をお送りしました。

こういったときに必ずお伝えしているのが、「みなさん、とにかく落ち着いてくださいね!」です。

「大幅下落したときにやめてはいけない」はもちろんのことですが、、、

今年2月以降からのいわゆる“コロナショック”で株価乱高下に慣れてきている方も多く、「この前暴落したから“買い”ですか?」といった問い合わせも増えているので、ちょっと心配しています。

(あしたば会員のみなさまには常日頃「投資は長期目線が重要」とお伝えしているので、普段あまり相場を見てのご連絡はないのですが…、さすがにこれだけ乱高下すると気になる方も多いですね。)

お気持ちは分かります。でも、投資において短期志向・一喜一憂は禁物!

ということで、ザっと今回の出来事の中身をみていきましょう。

<1> 株価大幅下落の内容確認

6月11日(日本時間6月12日午前)のNYダウ終値は、前日比1861.82ドル(6.90%)安の2万5128.17ドルとなりました。史上4番目の下げ幅です。

※S&P500は前日比188.04ポイント(5.89%)下落の3002.10

ちなみに日本の株式市場はどうだったかというと、、、

6月12日の日経平均終値は、前日比167.43円(0.75%)安の2万2305.48円。TOPIXは、前日比18.24ポイント(1.15%)下落の1570.68となりました。

どのような要因でこうした相場の動きとなったのか、見ていきましょう。

 

<2> 株価大幅下落の要因はFRBの見通しと利益確定売り?

市場関係者の見解では、6月10日のFRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長が「米景気の回復には時間がかかる」との認識を示し、「2022年までゼロ金利政策を続ける」と表明したことが株価大幅下落の要因として大きいようです。

ゼロ金利政策自体は景気を下支えするものですが、逆に「そこまでしないといけないほど、景気の先行きは厳しいのか」とマーケットは受け止め、株式を手放す動きがでたということです。

まさに、最近何度も出てくる“株価は将来の景気を織り込んで動く”現象ですね。

もちろん、それ以外の要因もありそうです。

 

米国では南部を中心にコロナ感染者が増加傾向にあり、「第2派」の警戒も高まっています。

白人警官による黒人暴行死事件で政治的な分断が激化しており、政策運営や企業活動への影響も懸念されています。

また、日米の株価は5月下旬から10日ほどで10%程度するなど、「過熱感」もありました。

それをふまえての「利益確定売り」をしたプロ投資家・個人投資家も多くいたと予想されます。

 

<3> 翌日以降は持ち直しているが…

大幅下落翌日の6月12日(日本時間6月13日午前)のNYダウ終値は、前日比477.37ドル(1.90%)高の2万5605.54ドルとなりました。

※S&P500は前日比39.21ポイント(1.31%)上昇の3041.31

「続落(連続での下落)」とはならず少し戻していることから、「景気は長い目でみれば楽観視できる」という認識がマーケットで多数を占めているものと思われます。

(もちろん、「待ってました!」とばかりに押し目買いをしたプロ投資家・個人投資家も多かったようで、当然その影響による株価下支え効果もあったと考えられますが。)

 

ただ、「恐怖指数」といわれる米VIX指数*は、11日に13.22ポイントも上昇して40.79となり、平時の20~30を超える「警戒水準」に踏み入れました。

翌12日には4.70ポイント下落して36.09となりましたが、それでも市場では警戒感が高まっている状態です。

*株式オプション価格の値動きから市場参加者が予想する変動率を割り出したもの。VIX指数が高い=「株価の変動率が高い」ということで、市場全体が期待と不安の交錯する「荒れ相場」になりやすい状態であるといえます。

 

暴落翌々日の6月13日(日本時間6月14日午前)のNYダウは、前日比157.62ドル(0.62%)高の2万5763.16ドルで取引を終えたものの、

その日のうちに高値2万4843.18ドルから安値2万5891.58ドルまで大きく振れる「荒れ相場」となりました。(その差1048.4ドル)

※S&P500は前日比25.28ポイント(0.83%)上昇の3066.59

 

日本株も、週をまたいで6月15日の日経平均終値は前日比774.53円(3.47%)安の2万1530.95円。TOPIXは、前日比39.90ポイント(2.54%)下落の1530.78で、共にかなりの下げ幅に。

本コラムを書いた6月16日の終値は、日経平均終値が前日比1051.26円(4.88%)高の2万2582.21円。TOPIXが前日比62.67ポイント(4.09%)上昇の1593.45円と、一転して急反発*しました。

*大きく下落した直後に、急激に上昇すること

文字通り、「乱高下」といった状況です。

 

新聞等で解説している要因では、

下落:中国でコロナ集団感染が判明、国内でも都内で感染者が増加しているなど、再び感染拡大傾向にある

上昇:FRBがコロナ対応の一環として社債購入プログラムを発表した

などが掲げられていますが、そもそも株価の動きは必ず「後付け」で説明されるものですし、こうも日ごとにアップダウンを繰り返すともはや「これが主な要因」と説明できるものはないように思えます。

いずれにしても、コロナ禍でダメージを受けた企業の業績よりも急ピッチで回復している株価に、不信感をもっている人が多いのはほぼ間違いないでしょう。

当面アップダウンが激しい相場が続く可能性も十分にある、と私たちは考えています。

 

<4> つみたて投資家のみなさんへのメッセージ

このような状況下で既につみたて投資を始められているみなさんにお届けしたいメッセージは、

冒頭の繰り返しになりますが、【落ち着いてください】ということです。

 

短期的な株価のアップダウンに一喜一憂して「買い」を入れたり「売り」を入れたりするのは、やればやるほど“短期志向”になっていきますし、痛い目に遭う可能性も増えるのでおすすめできません。

これまでの様々な研究で、そうした行動により「投資成果に悪影響を及ぼす」という検証結果も多く出ています。

 

みなさんには、「長期的な世界経済の成長と共に株価も成長することを信じ、投資を長く続けていく」という“投資の大原則”を思い出していただきたいと思います。

 

 

これまでも何回もお伝えしていますが、基本的には

「一喜一憂せず、淡々と、コツコツ積立投資」が王道

であり、それをやり抜いている人が私たちの周りでも(私たち自身が運用している商品でも)しっかり成果をあげています。

 

もし今アクションを起こすなら、「追加の積立投資」が一番のおすすめ。

相場が荒れやすい状況は今後も続く可能性が高いので、「上がっても下がっても問題なし」のドルコスト平均法が大きな力を発揮します。

 

とにもかくにも、私たちと一緒に長い目で続けていきましょう!

不安になったり、迷ったときには、お気軽に私たち横浜のFPオフィス「あしたば」のファイナンシャルプランナーにご相談くださいね。

 

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