「2022年(令和4年)は、どんな政治・経済イベントがあるの?」
「投資初心者でも、最低限これはチェックしておくべきものを教えて!」
この記事は、そんな疑問・ニーズがおありの方向けの内容です。(3分程度でお読みいただけます)
今年でコロナ禍になってから3年目に突入しますが、世界はようやくパンデミックの収束を見据えつつあります。
そんな中、2022年は世界経済に与える影響が大きそうな政治イベントが盛りだくさんの年です。
どうなるかを予想したところで結果と与える影響を100%あてることは不可能ですし、そもそもiDeCoや積立NISA等で「長期投資」を実践する方にとってはあまり気にしなくても良い程度のこと。
でも、長期的な投資・運用で資産を育てていく上で必要となる「経験値」をアップさせるために、【注目しておいた方が良いイベント】は少なからずあると考えています。
ということで今回は、iDeCoや積立NISAを始めて間もないor数年程度といった投資・運用の初心者の方向けに、「2022年の政治・経済イベントに関する、必要最低限の知識・情報」をお伝えします。
ぜひ、ザっとで良いので目を通しておいてくださいね。
2022年の重要イベント
まずは、各月の一通りの行事・イベントスケジュールを記しておきます。
1月
1日 地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が発効
5日 デジタル技術見本市「CES」開催 @米国ラスベガス
13日 国連の世界経済状況・予測発表
月内 通常国会召集
1月下旬~2月上旬 米大統領一般教書演説
1月31日~2月6日 中国の春節
2月
4日~20日 北京冬季オリンピック
23日 天皇誕生日
月内 FRB(米国連邦準備理事会)議長半期議会証言=「ハンスリー・ホーキンス報告書」
3月
4日~13日 北京冬季パラリンピック
5日 中国の全国人民代表大会(全人代)が開幕
9日 韓国大統領選挙
4月
1日 改正民法の一部施行により成人年齢が18歳に引き下げ
年金改革法の一部施行により年金受給開始年齢を75歳まで選択可能に
使い捨てプラスチックの使用量削減義務化の法律施行
4日 東京証券取引所が3つの新区分に移行
10日 フランス大統領選挙・第1回投票
5月
9日 フィリピン大統領選挙
15日 沖縄本土復帰から50年
月内 オーストラリア総選挙
6月
26~28日 G7首脳会議 @ドイツ・エルマウ
29~30日 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議
7月
月内にも 参議院選挙
月内にも 世界経済フォーラム(ダボス会議)開催
8月
月内 米国ジャクソンホール会議
9月
17日 日朝平壌宣言から20年
29日 日中共同声明から50年
10月
2日 ブラジル大統領選挙
30日 G20首脳会議 @インドネシア・バリ島
11月
7日 COP27(第27回・国連気候変動枠組み条約締約国会議)開催 @エジプト・シャルムエルシェイク
8日 米国中間選挙
21日~ サッカーW杯カタール大会
下旬 台湾統一地方選挙
12月
月内 2023年度の予算案策定、税制改正大綱の閣議決定
金融政策を決める会議や各種統計の発表日
各国の中央銀行や政府機関が発表する政策・統計データを把握しておくと、政治・経済の流れや見通しを掴みやすくなります。
その中でも特に重要なものをピックアップしておきましたので、大まかにチェックしておきましょう。
日米欧中央銀行の金融政策会議開催日
中央銀行では、定期的に金融政策を決定する会議等を開催しています。
特に主要国の政策は、世界の経済・株価にも与える影響が大きくなります。
<左から> 日銀金融政策決定会合 FOMC(米連邦公開市場委員会) ECB(欧州中央銀行)理事会
- 1月 17~18日※ 25~26日 ―
- 2月 ― ― 3日
- 3月 17~18日 15~16日 10日
- 4月 27~28日※ ― 14日
- 5月 ― 3~4日 ―
- 6月 16~17日 14~15日 9日
- 7月 20~21日※ 26~27日 21日
- 8月 ― ― ―
- 9月 21~22日 20~21日 8日
- 10月 27~28日※ ― 27日
- 11月 ― 1~2日 ―
- 12月 19~20日 13~14日 15日
※は日銀「展望レポート」公表(1、4、7、10月)より
日米欧GDP速報値の発表日
GDPは経済規模を表す指標で、その増減をみると経済が拡大しているのかどうかがわかります。
主要国の政府機関が発表する日程は以下の通り。
<左から> 日本 米国 ユーロ圏
- 2021年10~12月期 2月15日 1月27日 1月31日
- 2022年1~3月期 5月中旬 4月28日 4月29日
- 2022年4~6月期 8月中旬 7月28日 7月29日
- 2022年7~9月期 11月中旬 10月27日 10月31日
注目しておきたいポイント
冒頭にあった通り、今年は昨年に比べて経済に影響を与えるイベントが盛りだくさんと言われています。
全部把握するのは難しいと思いますので、下記2つの動向はチェックしておきましょう。
① 北京冬季オリンピック・パラリンピック
注目すべきは「有観客かどうか」と「外交ボイコットの行く末」です。
2020東京オリンピック・パラリンピック(オリパラ)はコロナ禍の影響で1年延期となった上に、ほぼ「無観客」での開催となりましたね。
中国は今回のオリパラを「コロナを封じ込めた」という国威掲揚の場としても見ているため、有観客開催にこだわっているようです。
ただ、新型コロナウイルス変異株の「オミクロン株」の世界的感染拡大の影響もあり、実際にどうなるかは見通せません。
無観客となればの経済効果減少も避けられず、中国のGDP成長率の鈍化にも繋がるでしょう。
2000年代の世界の経済成長を牽引し、今や世界第二位の経済大国となって米国と覇権を争う中国にとって、今回のオリパラがどんな効果をもたらすのか、注目です!
②各国の選挙ラッシュ
- 3月 韓国・大統領選挙
- 4月 フランス・大統領選挙
- 5月 フィリピン・大統領選挙、オーストラリア・総選挙
- 7月 日本・参議院選挙
- 10月 ブラジル・大統領選挙
- 11月 米国・中間選挙、台湾・統一地方選挙
上記のように、「選挙イヤー」ともいえるスケジュール。全てを解説すると長くなるので、ポイントを絞ってお伝えします。
フランス大統領選挙・オーストラリア総選挙
まず4月のフランス大統領選では、現職のマクロン大統領が25%前後の支持でリードしているようですが、極右政党・国民連合のマリーヌ・ルペン候補、無所属のエリック・ゼムール候補、中道右派・共和党のヴァレリー・ペクレス候補が熾烈な2番手争いをしているもよう。
支持が割れているため決戦投票となる可能性が高く、マクロン大統領が敗れるかもしれません。もし極右系候補が大統領となれば、英国のように対EUで強硬な政策をとなる可能性もあり、世界経済の波乱要因になります。
次にオーストラリアの総選挙では、世論調査によると現職のモリソン首相が率いる保守政権が、中道左派の労働党に敗れる可能性もあるようです。
日米豪印の安全保障協力の枠組み「Quad(クアッド)」をモリソン政権と進めてきた日米政府にとって、対中国の連携強化に水を差されることになるかもしれません。
安全保障と経済は密接な繋がりがあるため、注視しておくと良いでしょう。
参議院選挙
夏に参議院議員の半数*が任期満了となることに伴い、7月10日に参議院選挙の投票が行われる予定です。
※参議院は任期6年で3年毎に半数を改選
与党の自民・公明党は去年の衆議院選挙に勝利し、過半数を維持しました。
今回の参議院でも与党で過半数の議席を維持することができれば、岸田政権が安定的な政権運営を維持できることに繋がり、「長期政権」となって経済・株価へも好影響となる可能性も高まります。
逆に与党が敗北すれば「ねじれ」が発生し、政権運営において打撃となるため、経済・株価の波乱要因となるでしょう。
夏の参議院選も要チェックです!
米国中間選挙
2020年の米大統領選挙で史上まれにみる大接戦のすえ共和党のドナルド・トランプ氏を破って第46代・米大統領に就任した民主党のジョー・バイデン氏。
就任後すぐに大規模な経済対策を打ち出すなど、指導力をアピールしてきましたが、トランプ政権に次いで過去2番目に支持率が低迷しています。
米国では4年に一度の大統領選挙の間で実施される、国と地方の統一選挙を「中間選挙」と呼び、国民が政権・与党に対する評価を下す重要なイベントです。
基本的に大統領が所属する与党に不利な結果となる傾向であるのが、中間選挙のポイント。
選挙前の段階では、大統領=民主党・上院=民主党・下院=民主党という「トリプルブルー」となっていますが、
特に上院は議席数が拮抗しており、共和党が過半数を獲得する可能性も十分あるようです。
そうなると「ねじれ」が発生し、安定的な政権運営への打撃になるのは間違いありません。
世界1位の経済大国である米国の政策は、世界経済に極めて大きな影響を与えます。
当然ながら株式市場に与えるインパクトも大きくなりますし、今年最も注視しておくべきイベントとして覚えておくと良いでしょう。
終わりに
いかがでしたか?
昨年に続き、今回もかなりポイントを絞ってお伝えしました。
前述の通り選挙イヤーということもあり、株価が乱高下する可能性は例年よりも高いかもしれません。
しかし、長期投資において短期的な変動はあくまでも「ノイズ」のようなものであり、みなさんはそこまで気にしなくて大丈夫です。
仮に暴落があったら、それはそれで「積立投資の量をたくさん買い込む」「一括投資(スポット投資)で安くたくさん買う」ことができるチャンスにもなりますから、
むしろ「何かをキッカケに暴落が来てくれたら良いな」くらいのつもりで待っていると、心穏やかに投資を続けることができますよ。
いずれにしても、世界経済に与える影響のあるイベント等を最低限でも追っていくことで、間違いなくみなさんの「経験値」はアップしていくことになります。
きっとみなさんの資産づくり・資産運用に良い影響をもたらすはずですので、今年も一緒に楽しみながら見守っていきましょう!
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