生命保険の契約は、一般的に10年、20年と長期にわたりますが、さまざまな原因で一時的に支払いが困難になる場合もあるかと思います。
保険の支払いが難しくなった時、真っ先に解約を考える人が多いのではないでしょうか?
しかし、保険料が払えないからといって、すぐに保険を解約するのは得策ではありません。
保険は、一度解約してしまうと、再び加入する時には年齢が上がって保険料は高くなることがほとんどで、既往症や体調を理由に新たに加入できない可能性もあります。
今回は、生命保険料が払えなくなった場合の対処法を解説しますのでぜひ参考にして下さい。
※本記事で解説する失効や払い込み猶予期間等はあくまでも一例であり、詳細は契約ごと・保険商品ごとに異なります。
詳細は、加入している保険会社に必ずご確認ください。
生命保険料が払えないとどうなる?
生命保険契約を有効に継続させるためには、払込方法に応じた期日までに継続的に保険料を払い込む必要があります。
しかし、所定の期日までに生命保険料が支払えなかった場合、一般的には下記の流れで保険の効力が失われます。
- 保険料の未払いが発生
- 払込猶予期間内に保険料を支払う
- ②の払込猶予期間内に保険料を支払えなかった場合は失効する
※何らかの理由で保険料が払えなかったとしても、すぐに保障がなくなるわけではありません。
払込猶予期間までは保障が続く
払込猶予期間とは、期日までに生命保険料が支払えなかった場合に、保険会社が保険料の払い込みを待ってくれる期間です。
その期間は保障が継続するため、保険金の支払事由に該当した際は、請求すれば保険金を受け取れます。
払込猶予期間は、月払い、年払い、半年払いなどの方法によって異なります。
月払いの場合
月払いの猶予期間は、原則として保険料を払い込むべき月の翌月1日から末日までです。
例えば、4月1日が契約日の場合、翌月5月の1日~末日までが猶予期間であり、この間に払い込まないと、6月1日以降は失効するおそれがあります。
年払い・半年払いの場合
年払いの猶予期間は、原則として保険料を払い込むべき月の翌月1日から翌々月の契約応当日までです。
ただし、契約応当日が2月、6月、11月の各末日の場合には、それぞれ、4月、8月、1月の各末日までで、4月5日が契約日の場合、翌々月の契約日6月5日までが猶予期間です。
この間に払い込まないと、6月6日以降は失効する恐れがあります。
実際の払い込み猶予期間は保険会社・保険商品ごとに異なります。そのため、詳細は加入している保険会社に必ずご確認ください。
失効する
猶予期間を過ぎても保険料の払い込みがないと、保険契約は失効します。
長年加入していた保険でも、失効してしまうと保険金を請求しても保険金は支払われません。
解約払戻金のある保険商品の場合、払込猶予期間終了後に自動振替貸付が適用され、保険が失効しないこともあります。
自動振替貸付が実行されると、保険会社が解約返戻金の範囲内で生命保険料を立て替えます。(自動的に立て替えが行われるため、契約者は手続きの必要がありません。)
しかし、自動振替貸付には注意したい点もあり、解約返戻金から保険料を立て替えるとは言え、貸付のため利息が付きます。
また、立替金と利息が解約返戻金を上回る場合、自動振替貸付は行われずに、保険が失効するおそれがあり、注意が必要です。
立替期間中に保険の請求はできますが、保険金から立替金や利息を差し引いた金額しか受け取れないことも知っておきましょう。
※すべての保険契約に自動振替貸付制度があるわけではなく、商品ごと・契約ごとに異なりますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
なお、自動振替貸付制度を利用した場合は、早めに返済することをおすすめします。
生命保険料が払えない時の対処法
長い間保険料を払い続けてきた保険が失効することを避けるためにも、生命保険料の支払いが難しい場合は早めに対策を講じましょう。
保険の解約だけでなく、保障を継続しながら保険料負担を減らす方法や、保険料の支払いをなくす方法がいくつかあります。
ここでは、主な4つの方法を解説します。
解約する
最も簡単な方法は、保険の解約です。
解約すれば、保険料の支払いはなくなります。
しかし、解約と同時に保障が無くなってしまい、一度解約してしまうと元の契約の状態に戻せません。
解約してから次の保険を検討すると、その間は無保険状態になります。
保障が途切れないよう、解約の前に次の保険に申し込み、契約が成立してから旧契約を解約しましょう。
減額する
減額とは、保険金を減額して保険料を安くする方法です。
保険金や年金の額などを見直して引き下げることで、保険料の負担を軽くできます。
今の保険料で払い込みを続けるのは難しいけれど、保険料が安くなれば(契約を)続けられる人や、今までより保険金が少なくなっても保障を確保したい人向けです。
減額した部分の保障は解約したものとして扱われ、もし解約返戻金がある場合は支払われます。
契約貸付を利用する
契約者貸付とは、解約返戻金の一定範囲内で保険会社からお金を借りられる制度です。
一時的に保険料の支払いが困難な場合は、契約者貸付を利用する方法を検討してみましょう。
ただし、契約者貸付は、保険会社にお金を借りることになり、その期間の利息が発生します。
また、返済日が設定されていないことが多いため、保険契約の期間中であれば、その時々の状況に合わせた返済が可能です。
なお、満期保険金や死亡保険金等を受け取るときに、未返済の借り入れがある場合は、保険金の中から未返済分を差し引いた金額が保険金として支給されます。
一時的にまとまったお金が必要で、その後は払い込みを続けられる人に向いているのが、契約者貸付です。
契約者貸付の取り扱いがない保険種類・契約があるほか、現時点で貸付可能額がないケースもありますので注意が必要です。
払済保険に変更する
払済保険とは、これから先の保険料の払い込みを中止し、その時点の解約返戻金をもとに、もとの契約の保険期間を変えず、同じ種類の保険や養老保険に変更する方法です。
ただし、払済保険へ変更する際に、主契約に付けている特約は消滅します。
例えば、主契約の死亡保障に、がん入院特約や、がん一時金特約を付けていた場合、それらが失われてしまいます。
本当に必要のない保障なのか、よく考えてから変更しましょう。
契約によっては、払済保険に移行できない場合もありますので、事前に保険会社に確認しておくと安心です。
保険料が払えなくなる事態を避けるために
これまで、生命保険料が払えなくなった時の対処法について解説しましたが、生命保険はライフイベントや収入の変化を踏まえ、無理のない保険料で加入することが大切です。
適正な保険料の目安としては、「月給の1割以内を目安にする」という考え方も一案です。
例えば、月給20万円の人であれば、月の保険料を2万円以内に収めるなど、保険料の負担が過度に重すぎることのないよう気を付けましょう。
自身の家計に合わせていくらなら無理なく払っていけるかを考えることが大切です。
すぐに解約せずに他の方法も検討しよう
保険の支払いが難しくなった時、まず考えるのは解約ではないでしょうか?
しかし、保険は解約しなくても続ける方法はいくつかあります。
解約だけを検討するのではなく、他の方法で続ける方法がないかなど総合的に考えるようにしましょう。
また、保険に加入したら加入したきりではなく、定期的に見直すことも大切です。
あしたばでは、保険の見直しはもちろん、保険にまつわるご相談を受けておりますので、お気軽にご相談ください。
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