(この記事は2015年11月2日に執筆しました。)
確定拠出年金(DC/401k)の最大のメリット、税金面の優遇内容をご説明します。
今回はその中で、「掛金」についてです。
掛金は100%非課税
企業型の場合、掛金は企業が拠出する形になるので、そもそも給与・収入にカウントされず、当然税金もかかりません。
個人型の場合、「小規模企業共済等掛金控除」の枠で拠出した掛金の100%相当額を所得から差し引くことができます。
これは、本当に大きなメリットです。
例えば、あなたが「じぶん年金(自分年金)」を作るために、毎月2万円を積立したいと考えていて、額面の月額給与33万円・年額給与396万円の30歳会社員であったとしましょう。
(ここでは分かりやすくするために、ボーナスはなし、会社所在地は神奈川県と仮定し、社会保険料の算定基礎も概算とします。)
そんなとき、なんと!会社が業績向上を理由に、従業員に対して素晴らしい提案をしてくれました。次の2つから選択しなさいとのこと。
①毎月2万円、給与を上乗せする。
②確定拠出年金制度をスタートとし、毎月2万円を会社負担で拠出する。
あなたは、どちらを選びますか?
普通の貯金と確定拠出年金による積立は全く異なる
①の場合
月額給与35万円・年額給与420万円にアップすることになりますね。
そこから基礎控除・給与所得控除などを差し引き、社会保険料を納めた分も差し引いたうえで、所得税が5%・住民税が10%課税されます。
その額は、所得税92,400円と住民税184,800円。計277,200円です。
普通預金で積み立てるなら、これらが引かれた後に貯めていくわけですね。
②の場合
確定拠出年金に毎月2万円・年間24万円拠出したらどうなるでしょう?
掛金は本当に100%非課税で給与にカウントされないので、税金(社会保険料も)の算定上も、月額給与33万円・年額給与396万円のままになります。
そこから基礎控除・給与所得控除などを差し引き、社会保険料を納めた分も差し引いたうえで、所得税が5%・住民税が10%課税されます。
その額は、所得税84,400円と住民税168,900円で、計253,300円。
なんと、①と②では年間の税金が23,900円も異なるのです!
絶対に60歳以降まで引き出さない積立としては最強の金融商品
「へえ~」というくらいの感想だったあなた。繰り返しますが、これは本当にすごいことです。
あくまでも仮の話ですが、30歳から60歳まで毎月預貯金で積み立てるのに比べ、確定拠出年金で積み立てたら、717,000円もお得になるんですよ!すごい節税効果ですね。
(実際には、ずっと給与が同じで税制も同じということはあり得ないので、分かりやすくするために書いたものとご理解ください。)
投資・運用という観点からみても、年間24万円積み立てて23,900円のリターンが保証されている(つまり年利約10%保証!)金融商品なんてまず存在しないでしょう。
(このパーセンテージは、収入や拠出金額で大きく異なります。また、実際には選択した金融商品の運用実績によります。)
みなさんも、確定拠出年金の魅力を感じていただけたでしょうか?
原則、60歳までは一切引き出せないという大きな縛りを受けることになるのがネックですが、“じぶん年金(自分年金)積立”には欠かせない選択肢の一つとして、ぜひ活用していただきたいと思います。
※平成27年11月現在の税制に基づき、全て概算で算出しています。実際には、住宅ローン控除や生命保険料控除、医療費控除等で税額が異なってくるでしょうし、社会保険料の算定基礎はもう少し細かく、都道府県や業種によっても異なります。多くの方に分かりやすく説明するための内容であることをご理解ください。
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