「つみたてNISAは、どこで始めたらいいの?」
「商品ラインナップが充実してる金融機関を選ぶべき?」
そんな疑問にお答えする内容です。
前回に続いて、投資初心者向けに「つみたてNISA(積み立て版の少額投資非課税制度)の始め方・やり方」を詳しくお伝えしていきます。
前回の記事を読んで「向いていると思う」「何ともいえないけど、やってみる価値はありそう」という方は、ぜひしっかりと確認しておきましょう!
(とにかく、“簡単に・分かりやすく”いきたいと思いますので、細かいルール・用語の説明は一部省きながら進めていきます。ご容赦ください。)
【再確認】つみたてNISAを始める時の流れ(全体像)
おさらいになりますが、私たちがお勧めしている「つみたてNISAを始めるためのステップ」は以下の通りです。
- つみたてNISAを始める目的を確認する
- 必要最低限の長期投資・運用の基礎知識を身につける
- 他の制度・商品と比較検討する(つみたてNISAと一般NISAのどちらが良いかも検討する)
- つみたてNISAに「向いている・向いていない」(やるべき・やらない方が良い)を判断する
- 専門家にサポートしてもらうか、全て自力でいくかを検討する
- 窓口を選ぶ
- 自分に合った投資先を考えてみる
- 具体的な商品を選ぶ
- 金額を決めてスタートしたら、コツコツと継続していく
今回は、①~④のステップで「目的に合わない・全く向いていない、という結論には至らなかった」という前提のもと、⑤~⑥について解説していきます。
⑤専門家にサポートしてもらうか、全て自力でいくかを検討する
つみたてNISAは「長い時間をかけて、投資で資産を増やしていく」ための国の制度ですから、始める上での一定の知識習得と、始めた後の管理・メンテナンスおよび情報収集が欠かせません。
- 「餅は餅屋」ということで、「ある程度は信頼のおける専門家に頼る」
- 仕事や家事などをこなしながらも「自力で調べて、自分で管理する」
どちらの方針にするかを、決めておくと良いでしょう。
それによって、窓口となる金融機関等の選び方も変わってきます。
⑥窓口を選ぶ
つみたてNISAを始める時の金融機関等の窓口は、大まかには下記3つに分類されます。
- 対面型サポートの金融機関(店舗のある証券・銀行など)
- 非対面型サポートの金融機関(ネット証券・銀行など)
- 特定の金融機関に属さない仲介業者(いわゆるIFA)※仲介業者を通して金融機関の口座を開設することになります。
これらの中で何十・何百もの金融機関・仲介業者があるため、実際に選ぶのはとても難しいわけですが、、、
ネットの記事や書籍などで「選ぶ上でのポイント」としてよく挙げられているのは、次の5点です。
- 商品ラインナップが充実しているか(特に、信託報酬が低い商品)
- 積み立ての最低額がいくらか
- 積み立ての頻度を「月々」以外に「毎日」「毎週」などを選べるか
- 金融機関独自の特典があるか(ポイント付与や預金金利引き上げなど)
- 金融機関の担当者やFP・IFAなどのアドバイザーがつくかどうか
ところが、現場で実務に携わってきた我々からすると、
「そこではなく、もっとこの点を重要視してほしいです。じゃないと、最終的には長期投資で成果を得られませんよ!」
という部分があります。上記の一般的に言われているポイントの順に、一つずつ解説していきますね。
1)商品ラインナップが充実しているか
私たちの考え方としては、「商品ラインナップが充実しているか」を重視する必要はほとんどありません!
株式型・債券型・国内・先進国・新興国といった商品の分類は、どの金融機関でも最低限のバリエーションが用意されている傾向にあります。
「●●ファンドが良い」というくらいのこだわりがない限り、あまり気にしないで良いでしょう。(初心者であれば尚更!)
また、「より低コストな商品があるかどうか」についても、あまり気にしなくていいでしょう。
「つみたてNISAは国が指定した中から商品を選ぶルールになっており、購入時のコスト(手数料)は必ずゼロと定められている」からです。
インターネット上の記事等で「信託報酬(運用中のコスト)がより低い商品を選ぶべき!」との記事を見かけますので、気になってしまうのも分かりますが…
つみたてNISAの対象商品はそもそもコストが低い水準になっているので、どんぐりの背比べ。
確かに、信託報酬が「年間0.1%か0.2%か」だったら、どちらかと言えば0.1%の方が良いとは思います。でも、最終的な投資成果に与える影響は微々たるものなのです。
コストよりも、他のポイントに目を向けた方が良いでしょう。(こちらも初心者であれば尚更!)
2)積み立ての最低額がいくらか
これは金融機関によってまちまちで、「月々1万円~」としているところも多いですが、ネット証券などでは「100円~」としているところもあります。
本当にごく少額でスタートしたい方は、最低額をしっかりチェックしておきましょう。
しかし、逆にいえば「月々100円」くらいのスタートにしてしまうと、最終的に貯まるお金も投資で増える効果も少なくなってしまいます。
必ずしも少額からできるのが良いわけではなく、月々1万円~の方が「最低でもそれくらいは頑張ろう!」となるプラスの側面もあります。
それをふまえて判断しましょう。
3)積み立ての頻度を「月々」以外に「毎日」「毎週」などを選べるか
これも金融機関によってまちまちで、「月々のみ」のところも多いですが、「毎日」「毎週」などを選べたり、「ボーナス月の増額」を設定できるところもあります。
私たちは基本的に月々で問題ないと考えていますが、より柔軟に選びたいという方は、選択肢が充実しているネット証券等を調べてみると良いでしょう。
ちなみに、ネットの記事等では「毎日の方が分散効果がある」という解説も目にします。
ところが、実際には「月々か毎日か」で得られる投資成果の違いは、長い目で見ると大差ないと考えられます。
特に未経験者・初心者の方は、あまり投資方法に神経質にならず、オーソドックスに「月々」でOKと考えておいてください。
4)金融機関独自の特典があるか(ポイント付与や預金金利引き上げなど)
金融機関によっては、保有残高に応じたポイント付与や預金金利を引き上げるなどの特典を用意しています。
ただし、そもそも「つみたてNISAは購入時手数料が一律ゼロのため、金融機関側の収益性が低い制度」なので、どの金融機関でも積極的に特典を設けているわけではありません。
非対面型サポートのネット証券や店舗をあまり多く持たない銀行に限られる、と考えておきましょう。
では、そうした特典をよくよく調べて金融機関を選ぶべきなのでしょうか?
私たちは、それは違うと考えています。
つみたてNISAは、あくまでも長期投資で将来の資産をしっかり貯める・増やすための制度。
ポイントなどの特典はあくまでもオマケです。オマケ目当てで始めて肝心の投資がうまくいかないのでは本末転倒ですよね。
やはりここも、「もっと重要なポイント」に目を向けていただきたいと思います。
5)金融機関の担当者やFP・IFAなどのアドバイザーがつくかどうか
私たちが「つみたてNISAをどこの窓口で始めるか」の最大のポイントと考えているのが、実はこちら。
「アドバイザー(専門家)がつくかどうか」です。(その特徴も含め)
投資未経験者・初心者の方は、アドバイザー(専門家)をつける方がお勧め
対面型の金融機関や独立系の仲介業者を窓口とする場合は、FP資格や証券外務員資格を持つ専門家のアドバイスを受けることができます。
前回の記事等でも書きましたが、「投資を始める目的の整理」や「自分に合ったアセットアロケーション(投資先の配分)の決定」は、初心者の方が自分で完結させるのは大変困難です。
なので、投資未経験者・初心者の方の場合、「まずは専門家に相談してみる」ことをお勧めしています。その上で、もし相談した先の金融機関・仲介業者が「自分には合わないな」と思えば、違う窓口に行けば良いのですから。
もちろん、この記事の序盤にあった「ある程度は、信頼のおける専門家に頼る」方針でいきたい方は、そもそも専門家がつく金融機関・仲介業者を選ぶのがベストですね。
ただし、金融機関によっても仲介業者によっても知識や経験値にバラつきはありますし、人によってはつみたてNISAをダシにして、もっと収益性の高い(要は売り手側が儲かる)商品を積極的に勧めてくるかもしれません。
その点は注意するようにしてください。
アドバイザー(専門家)をつける必要がないタイプの方も
逆に投資経験者や、「とにかく自分で決めるのが好き」というタイプの方は、ネット証券などの非対面型の金融機関で始める方が良いでしょう。
この記事の序盤にあった「仕事や家事などをこなしながらも、自力で調べて・自分で管理する」という自信のある方も同様です。
前述のとおり、ネット証券・銀行は投資金額・方法や柔軟に選べますし、特典が付く場合もあります。(変な提案を受けるリスクもありませんし)
「自分で全部やれる」人は、ネット証券などで始めることをお勧めしています。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
このシリーズは全2回で終了の予定でしたが、それぞれを詳しく解説しているため全3回にさせていただきます。
次回はいよいよ「運用商品の選び方」です! ぜひ、ご覧くださいね。
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、5年前の創業当初からつみたてNISAやiDeCo/イデコ・企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
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