(この記事は、2017年11月26日に執筆しました。)
今年も残すところ1カ月と少し!
年末にかけて税金が絡む制度・ルールについて気になる方も多いと思いますが、来年から「配偶者控除」について大きな改正がありますので、Q&A形式で解説していきます。
Q&A「2018年からの配偶者控除」編
Q1)「103万円の壁」はなくなるの?
A1)はい。
これまでは、アルバイト・パート勤務の方が年収103万円まであれば、その配偶者の方が「配偶者控除」で38万円の所得控除を受けられました。
それが、2018年からは年収150万円までに引き上げられたのです。
(正確にいうと、103万円超150万円以下は「配偶者特別控除」という名前になります。)
ただし、その配偶者の方が所得金額900万円(給与収入1120万円)を超えると適用額が減っていき、所得金額1000万円(給与収入1220万円)を超えると全く適用できなくなるので、注意が必要です。
Q2)じゃあ、夫が会社員で年収600万円なら、来年からは150万円までパートで働いても問題ないのですね?
A2)配偶者特別控除を満額(38万円)使える、という点ではその通りです。
しかし、注意点が2つあります。
注意点①
社会保険の「扶養」から外れないための基準額とは異なります。こちらのバーは130万円のままです。
(それどころか、昨年2016年10月から要件が厳しくなりました。 詳細は担当FPにお問合せください)
注意点②
企業が定める「家族手当」の支給基準とは連動しません。
これは企業によりますが、家族手当の支給基準をこれまでの「配偶者のパート・アルバイト勤務の給与収入103万円まで」としている企業が多くあります。
必ず、来年からの勤務先のルールをチェックしましょう!
上記のとおり、いわゆる「配偶者が扶養の範囲内で働くことによるメリット」を得るための基準は、
「税法」「社会保険」「勤務先」それぞれで、全く異なります。
金額もさることながら、計算するうえで“含めるもの・含めないもの”まで違うのです。
この点はよくご注意のうえ、「得られるものはしっかり得る」ようにしてください!
疑問点や気になる点があれば、お気軽に私たち横浜のFPオフィス「あしたば」のファイナンシャルプランナーにご相談くださいね。
※本記事は、執筆時点での金融に関する一般的理論・制度・商品等の概要、税制・社会保険制度等の概要を掴んでいただくための内容です。将来の株価等の相場を予測するものではなく、特定の商品加入を促したり、誹謗中傷を意図するものではありません。また、あくまでも一般の方向けに分かりやすく説明することを目的としているため、正確なルール・条件等と異なる場合もあり、内容につき一切の責任は負いかねます。用語の厳密な定義や細かいデータ等の詳細は、各金融機関や各分野の専門家にお問合わせいただくか、公的機関やリサーチ会社等の各種統計データをご確認ください。なお、株式会社あしたばおよび代表の安藤の私見も多分に含まれており、各種統計データや制度・ルールは簡略的に示しています。詳細は弊社までお問合わせください。