時事ネタ

2月末の株価暴落を振り返って

ニュース等でご覧になった方も多いと思いますが、先月末、日本の株式市場で株価の暴落がありました。

弊社の会員のみなさまには10日前に「株価大幅上昇アラート」をお送りしたほど、最近の株価はずっと上昇傾向でした。

そんな中でなぜ、一転して暴落が発生してしまったのか?

今回は投資初心者の方向けに、ザックリとですが解説したいと思います。

株価暴落の内容確認

2月26日の日経平均終値は、前日比▲1202.26円(▲3.99%)の2万8966.01円となりました。

1日で約4%というこの下げ幅は、4年8ヶ月ぶりのことです。

(TOPIXは前日比▲61.74ポイント(▲3.21%)の1864.49ポイントとなりました。)

ちなみにですが、米国の株式市場は下記の通り。

26日の日本の株式市場が動く前(日本時間25日夜~26日早朝)、25日の米国株式市場では、

NYダウが前日比▲559.85ドル(▲1.75%)の3万1402.01ドル、S&P500が前日比▲96.09ポイント(▲2.45%)となりました。

株価暴落の要因

どのような要因でこうした相場の動きとなったのか、初心者向けにポイントを絞って解説していきます。

1)最大の要因は世界的な金利上昇

2月26日の日本国債10年物の利回りは、一時前日比+0.025%の0.175%で、約5年ぶりの高水準となりました。

25日の米国債券市場でも、10年物国債利回りが一時1.6%台を付け、コロナ前の水準に達しました。

英国やカナダでも約1年ぶり、オーストラリアも約1年10ヶ月ぶりの高い金利水準になっています。

特に米国の金利上昇は急ピッチで、2か月前の2020年12月末は0.9%前後、前月末は1.1%前後だったところから短期間のうちに大きく上昇しています。

金利が上がると、株価にどんな影響が出るのでしょうか?

結論から言えば、「株安になる」傾向があります。

その理由を全部説明するとかなり複雑になってしまうので、ポイントを2つだけに絞って説明します。

債券投資の魅力が増すため、相対的に株式投資の魅力が減る

金利が上昇するということは、債券投資をした時にもらえる利息が増えるということです。

(銀行預金の金利が上昇したら、もらえる利息が増えるのと同じ考えでOKです)

そうなれば、国や企業にお金を貸して最終的に満額で戻ってくる安定的な投資方法である「債券」と、債券よりも高いリターンが期待できるもののリスクも大きい「株式」を比べて、

「債券でも十分投資する魅力があるな」と考える投資家が増えます。

結果として、「株式を売って債券を買う」という流れが広がり、「株価が下がる」わけですね。

(実際、先ほど述べた通り米国の金利は一時1.6%程度に上昇しましたが、これは米国の主要500社の配当利回り約1.5%を上回る数字でした。)

金利が上がると企業業績にマイナス要因となる

これまでの記事や会員様向けフォローアップセミナー等でも解説しましたが、コロナ禍に突入してから各国は「金融緩和政策」をとり、金利をゼロに近い水準に誘導してきました。

コロナ感染拡大で経済活動が停滞することによる企業へのダメージを抑えるために、金利を低くしてお金を借りやすくするのと、前述と逆の理由で投資家が債券よりも株式で投資する流れを作るためです。

ところが、ここ最近のような金利上昇が起きると、企業活動には悪影響が及びます。

お金を借りるためのコストが上がれば、人財育成やマーケティング・商品開発等に投資する際のネックになってしまうので。

よって、金利が上がると株価に「織り込まれる」将来の企業業績の成長に対する期待値が、減少します。

結果として、株価下落の要因になるというわけですね。

2)米FRBが金融引き締めに動くのではという憶測

前述の通り世界の中央銀行は「金融緩和」の政策をとり、低金利水準を維持してきました。

しかし、金融緩和政策は基本的に中央銀行の資金を市場に流し込むことなので、政策に一定の限界があります。

また、やり過ぎると株価が実態よりも過度に上昇する「バブル」を引き起こすことにもなるため、どこかで「金融引き締め」の政策に転換し、あえて金利を高くする(=利上げ)必要が出てきます。

世界の経済に与える影響が大きい米国の動向が一番注目されるわけですが、米国の中央銀国にあたるFRB(米連邦準備理事会)はまだ金融引き締めに転換する方針を打ち出してはいません。

しかし、米国の感染拡大スピードがピーク時の1/3程度になるなど、近い将来の経済活動の正常化も期待される中で、「そろそろ金融引き締めに動くのでは」という観測がくすぶっています。

そうした不安心理から、「今のうちに株式を売っておこう」というマインドが働きやすくなり、株価下落要因につながっていると考えられます。

3)上記以外の要因

金利上昇以外にもいろいろな要因が考えられますが、「こんなことも影響を与えている可能性がある」というポイントを1つお伝えしておきます。

実は、次のような理由で月末は機械的に株式を売るアクションが起きやすくなります。

まず、一部の投資信託(ファンド)はこんなルールを設けているため。

  • 「月間の目標収益に対して月中で上回っていると、一定程度を売却して中長期的に目標近くに収まるようにする」
  • 「バランス型で利益が出て比率が大きくなった資産を売却して、元のバランスに戻す」

次に、米国の個人投資家が利用するポートフォリオ管理ツールでは、保有する投資信託で利益が出ているものを月末に売却して調整する機能があり、今月のように途中まで株価が大きく上昇している月は月末に売却されやすくなるのです。

これらがどこまで影響を及ぼしたか定かではありませんが、今回の株価が暴落に一定程度寄与していると考えられます。

終わりに

今後の見通し

では、今後の株価はどうなっていくのでしょうか?

結論から言いますと、「不安定な動きが続く」と考えておいた方が良いでしょう。

各国でワクチン接種も始まり、株式市場も「アフターコロナ」を見据えてきています。

いよいよ経済活動が正常化するという期待もありますが、

東京オリンピック・パラリンピックの開催動向や、米バイデン政権による新たな政策や、ミャンマー問題など、不透明な点が盛沢山。

様々な期待や憶測から、株価が一時的に大きく上がったり下がったりする可能性は高くなりそうです。

プチ投資家のみなさまへのメッセージ

ということで!

FP安藤からのメッセージをお伝えしますが、いつも弊社のお客様にお伝えしているのと同じです。

「株価の動きに一喜一憂して、買ったり売ったりしてはダメですよ!!」

ということだけ。

今回のような多少の株価暴落も、中長期的にみたら「誤差」の範囲。

「世界の人口増や所得増の傾向から、中長期的には株価はまだまだ成長する可能性が高い」ことに変わりはありません。

そもそも、「暴落した時に買って、暴騰した時に売る」なんて、そんなうまくいく人はほぼいませんよ。

(できるなら、みんな株で大儲けできてますね(笑))

タイミングを計らず、あくまでも淡々と長い目線で投資を続けていきましょう。

ただ、繰り返しますが今後も不安定な相場になる可能性は高く、一定の調整(上がり過ぎた後に、下がること)が起きる可能性も十分にあります。

昨年の「コロナショック」級の20~30%下落、もしくはそれに近い下落があった場合は、積極的に追加投資に動くのも大賛成。

もしそんなことがあったら、弊社の会員のみなさまにはアラートさせていただきます。

とにかくみなさん、長い目でいきましょう!

不安になったり欲が出てきたりしたら、感情的なアクションを起こす前に、ぜひ私たちFPにご相談くださいね。

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、iDeCo/イデコやつみたてNISA、企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

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