国は、国民一人一人の自己責任による“じぶん年金(自分年金)積立”を推奨するために、2016年に確定拠出年金制度(401k)の法律を改正し、より多くの人が利用できる環境を整えようとしています。

前回のブログと一部重なりますが、まずは確定拠出年金を活用するメリットを確認しましょう。

加入者のメリット

OK(経営者)

① 掛金が所得税・住民税の対象外(税控除)
② 年金受給時までは、運用益も非課税
③ 年金受給時も、一括受取なら退職所得控除、年金受取なら公的年金等控除が適用されるため、税金面で優遇
④ 様々な金融商品から運用先を選択することができ、正しい長期分散投資をすることで、預貯金等よりも効率よく資金を増やすことができる
※元本割れリスクあり
⑤ 会社から退職・転職する場合でも、資金の移換が可能(ポータビリティ)
⑥ 万が一、会社や資金を預かる信託銀行等が破綻しても、法律上その資金は守られる
⑦ 企業の従業員だけでなく、自営業者等も加入できる(2016年からは、公務員や専業主婦の方も加入できるようになる予定です)

「自分の決めた運用次第で老後の年金額が変わる」というまさに自己責任である代わりに、国は様々な特典を用意しているわけですね。
特に、税金面でのメリットはかなり強力です。NISAや個人年金保険とも比べ物にならないほどです。詳細は次回以降でご説明しましょう。
また、「元本割れリスク」を嫌う傾向が強い日本国民ですが、確定拠出年金によって積立投資・運用にチャレンジしようという気持ちになった方も増えてきていると思います。国としても、運用益は少なくとも年利2%以上になることを前提としてこの制度を推奨しており、預貯金よりも高い利回りで運用できる可能性が十分にあることは、加入者にとって大きなメリットになることは間違いありません。

しかしもちろん、デメリットもあります。

加入者のデメリット

イラスト01

① 原則として、60歳になるまでは途中引出しができない。
② 給付額が保証されていないため、運用実績が思わしくない場合は拠出した金額よりも受給額が少なくなるリスクがある。
③ より高い運用実績を得るためには、定期的な運用先の配分変更・資産の配分変更(スイッチング)が必要となり、運用に関する学習や専門家への定期的相談等を継続する手間がかかる。
※これは金融の知識・経験値工場という意味では、むしろメリットにもなりますね。
④ 会社から退職・転職する場合のポータビリティには、一定の要件がある。
⑤ 企業型で、企業側が給与を減額して制度を導入した場合は、掛金を拠出することで手取りが減る。
⑥ 企業型で社会保険料が軽減される場合には、各種給付も減額される可能性がある。
⑦ 個人型に加入した場合は、口座管理手数料等のコストがかかる。

最も重要なのは①の60歳まで引き出しができないことです。住宅購入や子育て、親の介護、病気など、大きな出費の可能性がある30~40代の方々にとっては、将来に向けて貯める金額の全てを確定拠出年金に拠出することは、大きなリスクといえるでしょう。

他にも、一つ一つのデメリットはかなり細かい要件等がありますので、次回以降に詳細をご説明していきたいと思います。

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