お金の基礎知識

日本の家計資産ってどれくらい?

【問題】

日本の家計金融資産(個人世帯がもっている預貯金等の資産)は、アップダウンを繰り返しながら、着実に増えています。

1995年を「1」とすると、2015年末には「1.47倍」になりました。

さて、投資大国といわれるアメリカの家計金融資産は、同じく1995年を「1」とすると、2015年末には何倍になったでしょうか?

 

  ①  1.58倍   

  ②  2.27倍

  ③  3.11倍

 

 

 

 

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

正解は、です。

 

1.47倍と3.11倍。物凄く大きな差ですね。

 

もちろん、人口の増減など様々な要素が影響するので一概には言えませんが、アメリカは家計全体で見て相対的に裕福になっているということです。

 

実は、このデータの出所は金融庁の「平成27事務年度 金融レポート」です。

※ご興味のある方は、こちらの金融庁ホームページのデータをご覧ください。

http://www.fsa.go.jp/news/28/20160915-4/02.pdf

 

金融庁が危機感をもって日本の金融資産の現状を分析・検証し、レポートまで作成して、政府や金融機関などに発信しています。

 

レポートによると、

 

日本の家計金融資産のうち「預貯金」が占める割合は、約52%です。かたや、アメリカは13.7%、イギリスは24.4%。

 

それに対して、

 

日本の「株式・投資信託」などの投資性資産が占める割合は、僅か18.8%(間接保有含む)。アメリカは45.4%、イギリスは35.7%です。

 

これは、すごく大きな違いですね。

 

レポートでも明言されていることですが、こうした家計金融資産の構成の違いが、金融資産の伸び率の大きな差を生んでしまった大きな要因の一つと言われています。

 

要するに、「日本人は投資をせずに貯金ばかりしていたので、資産があまり増えなかった」ということです。

 

金融庁(というか国・政府)は、ずっと「貯蓄から投資へ」とスローガンを掲げてきました。しかし残念ながら、投資は今一つ日本国民に浸透していないということですね…

 

先ほど「危機感」と書きましたが、最近になってようやく、国も投資・運用の啓蒙活動に本腰を入れ始めました。

 

日本人には“投資”という言葉にネガティブなイメージがあることも要因ということで、「貯蓄から資産形成へ」とキャッチコピーまで変え、いよいよ本気でやるぞ!というスタンスになってきています。

 

では何を始めているのか?というと、、、実はその一つが「つみたて投資」の啓蒙。すなわち“ドルコスト平均法による積み立て”です。

 

レポートには、

 

「投資対象と投資時期の分散を行うことで、中長期的に安定的なリターンを実現することが可能」と記載があります。

 

これはまさに、投資信託などの分散型商品で毎月コツコツとひたすら積み上げていく “つみたて投資”のことです。

 

検証の結果、「つみたて投資」のような長期分散投資が最も安定的なリターンをあげることができる(可能性が高い)。というのはもちろんですが、

 

そもそも日本では50・60代以上の年齢層に金融資産が集中しており、30・40代のいわゆる「資産形成層」には、毎月1万円くらいの少額からでも始められる「つみたて投資」がフィットするという背景もあります。

 

そうした背景をふまえ、国をあげて「つみたて投資」を推奨する時代になってきた!

ということなのです。

 

まさしく、それを実行に移したプロジェクト第1弾が「個人型確定拠出年金」の大改正。

 

今まで加入できなかった、公務員・専業主婦・企業年金ありの会社員を全て加入対象に加え、最大のメリットである「全額所得控除」等の税メリットを誰でも受けられるようにしました。

 

金融機関毎の選べる商品数に上限を設けるなど、投資初心者が混乱しないで済むための工夫や、利便性を向上させるための細かい制度改正についても議論されています。

 

そして、来年からは少額投資非課税制度のつみたて版、“積立NISA”の導入も決まりました。(原案ではいろいろ制約が多いので、どの程度使い勝手が良いものになるかは不透明ですが)

 

こうした国側の姿勢の変化は、

 

「社会保障給付(年金など)は、今の水準を維持するのは難しいですよ」

「でも、物価はなんとしてでも上げていきますよ」

「消費税や社会保険料も上げざるを得ませんよ」

 

「なので、、、節税制度と投資・運用で増やしてくださいね!」

 

というメッセージともいえます。

(物価や消費税、社会保険料については、別のメルマガやあしたば会員の方向けフォローアップセミナー等で詳しくお話しするつもりです)

 

最終的にそれを一般の方に伝えるのは金融機関なので、金融庁・森長官の旗振りのもと、金融業界全体が顧客本位(フィデューシャリー・デューティー)の体制へと一層の転換を進めています。

 

私たちも、国側と金融機関側の変化に対応しながら、みなさんが制度や商品を十分に活用できるように、そして「つみたて投資」を長く続けられるように、全力でサポートしていこう!と気を引き締めています。

 

もし既に“つみたて投資家”になられている方は、時代の流れを先読みしてスタートされた貴重な存在。

 

ぜひ、自信をもって「つみたて投資」を続けていただき、周りの方にも教えてあげてください!

 

まだつみたて投資家でない方も、国が用意した制度などをうまく活用して、少しずつでも早めに始めてみてくださいね。

 

「日本人が、みんな当たり前のようにつみたて投資で資産を増やしていく社会」を目指して、私たちも啓蒙活動を続けていきます!

 

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【注意点】上記は、一般生活者のみなさんの資産づくり役立てていただくことを目的として、金融に関する一般的理論・制度・商品等の概要、税制・社会保険制度等の概要、それらに関係する分野の情勢を説明したものです。将来の制度変更や株価等の相場を予測するものではなく、特定の商品・サービス等の購入・加入を促したり、特定の企業や商品・サービス等の誹謗中傷を意図するものではありません。また、金融商品の将来の運用成果等を保証または示唆するものではありません。そして、あくまでも一般の方向けに分かりやすく説明することを目的としているため、正確なデータ・ルール・条件等と異なる場合もあり、内容につき一切の責任は負いかねます。用語の厳密な定義や細かいデータ等の詳細は、各企業や各分野の専門家にお問合わせいただくか、公的機関やリサーチ会社等の各種統計データをご確認ください。なお、株式会社あしたば及び代表の安藤の私見も多分に含まれており、各種データや制度・ルール等は簡略的に示しています。詳細は弊社までお問合わせください。

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