弊社は、日本全体のウェルビーイング向上をミッションに掲げる独立系FPの会社です。
ウェルビーイングのにも様々な分野・側面があると言われており、その中の1つである「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の向上に貢献するべく、金融教育や個人カウンセリングに日々邁進しています。
本記事では、ファイナンシャル・ウェルビーイングについて簡単に解説しますので、ウェルビーイングに興味がある・情報収集したいという方は、ぜひ最後までお読みください。
ウェルビーイングとは
まず、土台となる知識として「そもそもウェルビーイングとは何なのか」を確認しておきましょう。
ウェルビーイング(well-being)は様々な定義づけがされていますが、一言でいうと「人が身体的・精神的・社会的に“良好な状態”(=幸福な状態)であること」です。
言葉として初めて登場したのは、1946年のWHO(世界保健機関)設立時と言われています。
当時、訳語としては「健康」「幸福」「福祉」「良いあり方」などがあてられたそうで、WHO憲章で健康の定義として「完全に満たされた状態」と表現する中で使われています。
どの状態が「良好」とか「幸福」といえるのか、人それぞれ価値観が異なりますし、時代や住んでいる国・地域によっても違うでしょうから、非常に曖昧な概念であると言えます。
このようにウェルビーイングはあまりにも大きな概念というかぼんやりとしたものであるので、有識者によっていくつかの分類分けがされています。
今回は詳細の説明は割愛しますが、代表的なものは下記の通りです。
主観的or客観的
主観的ウェルビーイングは、感情や満足感など、いわゆる「定性的」なもの。
客観的ウェルビーイングは、平均賃金、ジニ係数(所得格差を示すもの)、失業率など、各種統計データに基づく「定量的」なものを指します。
PERMA
「ポジティブ心理学」を提唱したペンシルベニア大学心理学部教授のマーティン・セリングマン博士によって考案された指標で、ウェルビーイングを以下の5つの要素で判断するというものです。
- Positive Emotion(ポジティブな感情)
- Engagement(エンゲージメント)
- Relationship(人間関係)
- Meaning and Purpose(人生の意義や目的)
- Achievement/ Accomplish(達成)
米ギャラップ社
米国の世論調査・コンサルティング企業のギャラップ社が定義づけした、5つの要素です。
- Career Well-being(キャリア ウェルビーイング)
- Social Well-being(ソーシャル ウェルビーイング)
- Financial Well-being(フィナンシャル ウェルビーイング)
- Physical Well-being(フィジカル ウェルビーイング)
- Community Well-being(コミュニティ ウェルビーイング)
本記事では、ここで登場した③ファイナンシャル・ウェルビーイングについて解説しますが、ギャラップ社が定義したものとして有名なものの、同社が提唱して独自に発展した概念とは言えません。
米国では「ファイナンシャル・ウェルネス」という言葉で、企業が提供する福利厚生制度で重視される要素とされています。
また、英国では2010年代から「国民のファイナンシャル・ウェルビーイング向上」を国家戦略として掲げ、金融・年金関連の情報やガイダンス・アドバイスを提供する公共機関「MaPS」(The Money and Pensions Service)を設立されるなど具体的な施策が動いてます。
ファイナンシャル・ウェルビーイングとは
それではいよいよ、ファイナンシャル・ウェルビーイングについて見ていきましょう。
ファイナンシャル・ウェルビーイングのスペルはFinancial Well-beingということで、直訳すると「経済的な幸福」です。
これに対し、米国の消費者金融保護局「CFPB」(Consumer Financial Protection Bureau)では、次のように定義されています。
「現在進行中の経済的義務を果たすことができ、将来の経済状況について安心があり、生活を楽しむための選択ができる状態」
また、前述の英国の「MaPS」では、次のように定義づけしています。
「お金について安心しており、管理できている状態。生活に必要なお金を稼ぎ、不測の事態に対しての備えと将来に向けた準備ができている。要するに、自信があり能力がある状態」
(FPが現場目線で)ファイナンシャル・ウェルビーイングを一言でいうと
これらを念頭に置きつつ、多くの人にとって分かりやすい短い文章での表現として、弊社では次のように定義しました。
「お金について不安がなく、管理できている状態」
よって、ただ「収入が高い・保有資産が多い」というだけではありません。
どれだけ収入が高かろうと保有資産が多かろうと、「お金を管理できず浪費ばかりで資産形成ができない」「どれだけお金があっても不安で仕方ない」という状態では、ファイナンシャル・ウェルビーイングを実現できていない(達成度が低い)ということになります。
逆に、収入が相対的に高くない・保有資産が少ないという場合でも、「メリハリのきいた消費と家計管理、iDeCoやNISAを活用した資産形成を進めており、将来への強い不安はない」という状態であれば、ファイナンシャル・ウェルビーイングを実現できていると言えるでしょう。
終わりに
私たちはのべ2000名ほどの生活者に対して「お金に関するカウンセリング」を実施してきましたが、実際にファイナンシャル・ウェルビーイング=「お金について不安がなく、管理できている状態」を実現できている人は気持ちに余裕があって、仕事もプライベートも充実しているのが伝わってきます。
逆に前述のような「収入が高くても管理できない」「保有資産が多くても常に不安」という人は、客観的な幸福度が高そうに見えても主観的な幸福度が非常に低い傾向があります。
日本の独立系FPとして日々、企業の従業員向け金融教育に奔走し生活者と向き合っている立場として、残念ながらファイナンシャル・ウェルビーイングを実現している人は少数派であると感じます。
どうしたらその状況を打開できるのか?
我が国にとって重大な課題でもありますので、私たちも日々思案してきたわけですが、最も効果が期待できる解決策は「職場における金融教育などの施策」ではないかという結論に至りました。
次回以降で、その理由・意義・具体策などをお伝えしてきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あしたばFP・安藤
弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています。
収入・資産状況や考え方など人それぞれの状況やニーズに応じた「具体的なiDeCo活用法と注意点」から「バランスのとれたプランの立て方」まで、ファイナンシャルプランナーがしっかりとアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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