FIRE・早期退職

早期退職(希望退職)制度の導入割合、退職金の割り増しの実態

「早期退職制度」を導入している企業の割合は?

制度を利用している人はどれくらいいる?退職金の割増額の平均は?

この記事は、そんな疑問にお答えする内容です。

前回(↓)に続き「早期退職制度(早期退職優遇制度および希望退職制度)の実施・利用実態」について探っていきます。

早期退職(希望退職)制度とは 「早期退職制度」って、どんな仕組み? 希望退職制度との違いはなに? この記事は、そんな疑問にお答えする内容です。...

早期退職優遇制度を実施している企業の割合

(人事院資料より弊社作成)

まずは、恒常的な措置である「早期退職優遇制度」を導入している企業がどれくらいあるのか、見てみましょう。

公的機関が公表してるデータはやや古いいものしかなかったのですが、人事院による平成23年(2011年)の「民間企業の退職給付調査*」に具体的な記載がありました。

※従業員数50名以上の企業を対象にしています。

それによると、上図のとおり全体では11.6%で、従業員1000人以上の規模の企業であれば43.9%にものぼるようです。

近年はますます雇用の流動化が進んでいますし、コロナ禍における事業方針の転換などから、現在(2023年)の大企業が早期退職優遇制度を導入する割合は、50%を超える可能性もあると推察されます。

希望退職制度を実施した企業数の推移

(出所:東京商工リサーチ)

こちらは東京商工リサーチの集計による、「希望退職制度」を実施した企業数と募集人数の推移です。

希望退職制度は時限的な措置なので、経済情勢等の影響を色濃く受けます。

上図の通り、リーマンショック直後の2009年の191社をピークに減少し、東日本大震災直後の2012年には63社と再び増加、その後は減少傾向だったもののコロナ禍で93社に大幅増加となっています。

東京証券取引所によると上場企業数は2022年末で3,869社ですから、単年ベースでの希望退職制度実施企業の割合はピークで5%程度、景気が上向いている時等は1%未満といえます。

また、「希望退職を募ったことがある企業の割合」というデータはなかなかありませんでしたが、前述の人事院による平成23年(2011年)の調査では、平成18年から5年間で希望退職を募ったことがある企業の割合は9.9%だったようです。

このタイミングはリーマンショック期でかなり高めの割合になっていると考えられるため、現状で「5年間のうちに希望退職を募ったことがある企業」は2~3%程度なのではないでしょうか。

早期退職制度の利用者の割合

(厚生労働省資料より弊社作成)

次に、早期退職制度を実施している企業で、実際にどれくらいの社員が制度を利用しているのか確認してみます。

厚生労働省が平成30年に実施した「就労条件総合調査」によると、上図のように早期退職優遇制度(=早期優遇)の利用者割合*は10.4%でした。

※勤続20年以上かつ45歳以上の退職者を対象にしています。

また、「会社都合」が6%とありますが、この中には希望退職制度の利用者も含まれると考えられ、「早期退職優遇制度+希望退職制度」の利用者割合は15%近くになる可能性もありそうです。

勤続20年以上という前提なので圧倒的に「定年」による退職者が多いのは当たり前のようにも思えますが、「45歳以上の6~7人に1人が何らかの早期退職制度を利用している」ということなので、それなりに普及していると言ってよいでしょう。

早期退職による退職金の割増の実態

(厚生労働省資料より弊社作成)

最後に、退職金制度を導入している企業で、退職事由によって退職金の額はどれくらい変わるのか、すなわち早期退職によっていくら程度の退職金割り増しがあるのかを見てみましょう。

前述の厚生労働省が平成30年に実施した「就労条件総合調査」によれば、大学・大学卒(管理・事務・技術職)の平均退職給付額は上図の通りとなりました。

※繰り返しですが、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者を対象にしています。

「早期退職優遇制度(早期優遇)」利用者の金額が定年退職者よりも高くなっていて、平均すると20%前後の割り増しがあることが分かります。

会社都合の項目にも「希望退職制度」の利用者が含まれると考えられ、こちらも定年退職者より高くなっています。

もちろん企業によって割り増し額に差はありますが、業種等の垣根を越えて全体で見ても、早期退職制度は一定の退職金割り増しがされていると言えそうです。

終わりに

いかがでしたか?

  • 早期退職制度を実施する企業も増えているし、利用する人も増えている
  • ご自身が望むキャリア・ライフプランを実現する上で、早期退職制度の利用は選択肢として持っておくべき!

今回の記事で僕がお伝えしたかったのは、こういうことです。

まだまだ「終身雇用」のイメージをお持ちの方も少なくないのが日本の現状かもしれませんが、そんな古い慣習に囚われていては勿体ない!

経済情勢やタイミングにもよりますが、早期退職制度を利用できるチャンスがあればぜひ利用を検討していただきたいと思います。

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あしたばFP・安藤

弊社横浜のFPオフィス「あしたば」は、創業当初からiDeCo/イデコや企業型確定供出年金(DC/401k)のサポートに力を入れています

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