FPとして

「未来への希望」を開発した理由(前編)

こんにちは! FPオフィス「あしたば」のファイナンシャルプランナー・安藤宏和です。

昨日のブログに続いて、BtoB(法人・企業向け)の新たなサービス「未来への希望」について取り上げます。

開発したキッカケは前回綴りましたが、どのような理由で開発したのか、具体的に書き綴りたいと思います。

私たちの積み上げてきたノウハウと実績で、「世の中の課題」を解決したい

BtoBの商品・サービスを開発する時には、まず「顧客のどのような課題を解決するか」を明確にして、そこに貢献できるサービス内容・訴求の仕方を練っていくのがセオリーかと思います。

しかし今回は、もう少し大きな視点で「世の中の課題」から入っていきました。

もちろん「企業の課題」に繋がるサービスなので、当初はそこを推すつもりでした。

ですが、「金融教育・資産形成カウンセリング」という無形商材であることに加え、同様のサービスを提供する事業者が少なく認知度が低いことから、いきなり企業の課題解決をアピールしても経営者側がイメージしづらいと考え、方針転換したのです。

最大の社会課題は、日本人の金融リテラシーが低いこと

日本では様々な問題・課題が山積していますが、「金融・経済」の分野で一般生活者の暮らしに直結するものとしては、下記が極めて重要な課題であると考えています。

  • 日本人の金融リテラシーが不足している
  • 一般生活者の資産形成の手段として「長期投資」が定着していない
  • 「貯金」ばかりする人が多く、資産が増えない
  • 結果として、マネーが循環せず、消費が増えず、企業の業績&賃金も上がりづらい「悪循環」に

日本人の金融リテラシーは諸外国と比べて低く、金融広報中央委員会「金融リテラシー調査」においてもOECD加盟国の中で低位に属しています。

これには様々な事情があると言われていますが、「お金儲けは汚いこと」と捉える人が相対的に多い国民性や、教育機関や家庭でほとんど「金融教育」がなされないこと、会社員・公務員だと税金や社会保険料などが源泉徴収されて「納付」に対する感度が低いこと、などが挙げられます。

その中でも「金融教育を受ける機会がほとんどないこと」が最大の要因であり、教育をすべき側の不作為と言えるでしょう。(国民性や納税等の仕組みをいきなり変えるのは難しくても、教育の機会はいかようにも設けることができるからです。)

そんな状況なので、お金のことを自分で判断してコントロールしている人は驚くほど少ないのが実情です。

特に、自分や家族の将来のために資産を増やすために「長期投資」をする、iDeCoやNISAなど国の用意した「税優遇制度」を活用する、そういった「賢い資産形成」を実施する人は少数派になっています。

親の「ちゃんと貯金しなさい」という言いつけを守り、せっせと貯金をする人がほとんど。

銀行で寝ているだけの預貯金は何も生みだしませんから、生活者自身の資産が効率よくふえていかないだけでなく、世の中に必要なところにお金がまわる「金融」の役割もほとんど果たしません。(ゼロとは言いませんが)

結果として、資産が効率良くふえないから消費が増えず、マネーが市場に循環しないため企業の人財・設備などへの投資にまわらず、結果として経済の活性化に繋がらないため企業の業績が伸び悩み、賃金も上がらない。

日本経済が陥っている「負のスパイラル」は、元を辿ると日本人の金融リテラシーの低さが原因なのです。

根っこにある「金融業界の課題」

では、「日本人の金融リテラシーが低い」「金融教育を受ける機会がほとんどない」という社会課題に対して、これまでだれも何の対策も打たなかったのでしょうか?

結論から言えば、効果的な施策はほとんどなかったといえます。

「金融教育」を実施する立場として教育機関が考えられますが、前述の通り文化的にその領域を忌避してきたことと、「金融」や「資産形成」の専門家を置く必要性が認識されていなかったことから、全くと言って良いほど実施されませんでした。

ようやく今年(2022年)4月から高校の家庭科で必修科目として「金融」が加わりましたが、専門家でない家庭科の教員が担当することから、不十分と言わざるを得ません。

そして、私たちが考える“最も罪深い存在”は、金融業界です。

銀行や証券会社、保険会社などの金融機関は、国民の生活を支える極めて公共性の高い事業者を営んでいながら、自らの収益性を最優先とする業務運営をしてきました。

セミナーなど金融教育に類似する活動はしていても、実態はあくまでも「自社の商品を販売するため」です。

これは僕がいた保険会社(および保険代理店)でも蔓延していましたし、銀行や証券など基本的にはどこも同じ。それが嫌で金融機関を去る優秀な人とたくさんお会いしてきましたので、紛れもない事実と考えて良いでしょう。

その証左として、金融庁が2017年に「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)」金融機関に義務付けるよう指導を本格化させました。

顧客本位つまり「お客様のために」業務運営するなんて、僕たち独立系FPからしたら当たり前(そうでなければすぐに仕事を失います)なんですが、金融機関はそれすらできず「自社のために」やってるでしょと、お国に判断されたわけです。

なんて情けない業界でしょう。(ネガティブ発言で申し訳ないのですが、自分がいる業界として、本気で情けないと思ってしまいます)

上記の金融庁の方針転換以後、金融機関等も少しずつ変わってきていますが、まだまだ本質的には大きく変わっていません。

このような状況なので、小さい事業者でも、私たちが金融教育を実施するサービスを作るしかない!

と考えたのです。

 

だいぶ長くなってしまったので、次回に続きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

安藤 宏和

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