こんにちは、FP(ファイナンシャルプランナー)の安藤宏和です。
今朝の「あしたば日経読み合わせ会」で取り上げたのですが、米スペースX社が民間人のみの宇宙飛行を成功させたようですね。
地球と宇宙の境界とされる「準軌道(サブオービタル)」を越えて「軌道」に入り、高度約585キロメートルへ到達。(高度約400キロメートルの国際宇宙ステーション=ISSよりも遠くまで!)
90分に1度のペースで地球を周回し、3日間の滞在を経て無事に帰還したとのことです。
米航空宇宙局(NASA)に所属する宇宙飛行士は何年にも渡って特別な訓練を受けるですが、今回の4名の訓練期間は約5ヶ月半。
「宇宙に行くこと」のハードルが下がるキッカケとなりそうですね。
長期投資による資産形成をサポートするFPという立場でもあり、個人的に宇宙ビジネスの伸展には大変注目しています。
特に「宇宙旅行が当たり前になる」時代の到来が楽しみなので、関連データを簡単にまとめてみました。
宇宙旅行ビジネスに力を入れる代表的な企業
スペースX
スペースX(正式名:Space Exploration Technologies Corporation)は電気自動車メーカー・テスラの創業者イーロン・マスク氏がCEOを務める、宇宙開発事業のスタートアップ。(創業2002年)
2008年に民間企業として史上初となる宇宙船での地球周回飛行と帰還を実現させ、「商業宇宙飛行」のパイオニア的な存在になりました。
今回飛行した「クルードラゴン」という宇宙船は、2020年5月に民間で初めて運用段階に入っていて、これで4回の有人飛行を成功させています。
2022年にも複数回打ち上げを予定し、2023年には月への周回旅行も計画。将来は火星に人を送る構想まで掲げているようです。
ブルーオリジン
誰もが知るアマゾン(Amazon.com)の創業者、ジェフ・ベゾス氏が2000年に設立した航空宇宙企業。
「人類がより安く宇宙へ飛び立てること」をコンセプトとしていて、信頼性・安全性を高める技術を開発しながら、安く宇宙旅行サービスを提供する目標を掲げています。
2021年7月にベゾス氏ら4人を乗せた同社の宇宙船「ニューシェパード」を打ち上げ、準軌道での約10分間の宇宙飛行を成功させました。
ヴァージン・ギャラクティック
2004年に航空会社・レコード会社を傘下に持つ英ヴァージン・グループ会長、リチャード・ブランソン氏が設立した宇宙旅行会社。
2019年10月、ニューヨーク証券取引所に上場し、宇宙旅行会社として初めての上場企業となりました。
2019年にパイロット以外の同乗者1名を乗せた宇宙船「VSS Unity」で準軌道への到達を成功させ、2021年7月にはブランソン氏が搭乗しての宇宙飛行を成功させています。
宇宙旅行の料金は「いくら」ぐらい?
前述の準軌道に入り「数分間、宇宙空間を体験する旅行」は、ブルーオリジン社やヴァージン・ギャラクティック社が20~45万ドル程度の価格設定をしています。
2021年9月現在の為替レートで換算すると、2200~5000万円くらいになるということですね。
国際宇宙ステーションに滞在する旅行を計画する会社もあり、スペースXの場合は5500万ドルに設定。
すなわち60億円ほどになりますから、気の遠くなるような数字ですね。
(ちなみに、前沢友作氏がスペースXと「月旅行」の契約をして話題となりましたが、約750億円という報道もありました…)
ただ、宇宙旅行サービスを2024年には12万5000ドルで提供すると発表した米国のスタートアップもあるようで、今後価格競争も激しくなっていくはず!
利用者が増えてコスト削減が進めば、もっと身近なものになる可能性は十分にあるでしょうね。
日本のスタートアップにも期待!
ここまで欧米企業を紹介しましたが、日本では有人飛行を成功させた民間企業はありません。
インターステラテクノロジズやスペースワン、スペースウォーカーといった「小型ロケット」の開発を進めるスタートアップ企業は日本にも登場していて、インターステラテクノロジズは実際に打ち上げを複数回成功させています。
同社が掲げるミッションには“誰もが気軽に行ける宇宙を”と明記されており、今後は大型ロケットの開発や有人飛行への挑戦もあるかもしれません。
ANAや日本旅行など宇宙関連スタートアップを支援する大手資本も増えてきているので、今後日本でも宇宙ビジネスが伸展していくことに期待したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
安藤 宏和