こんにちは! FPオフィス「あしたば」のファイナンシャルプランナー・安藤宏和です。
2022年5月に、岸田首相が英シティでの講演において「資産所得倍増プラン」を披露しました。
NISAやiDeCoの拡充などによって、我が国の家計金融資産のうち1000兆円を超える現預金を資産運用に誘導し、賃金が伸び悩み格差も拡大している状況で国民の資産を底上げしようというものです。
これに対して「実現性はどうなのか?」と思っていましたが、6月に政府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」で具体策を2022年末までにまとめると明記。それなりに本気のようです。
日本証券業協会による提言
そんな中、日本証券業協会(証券会社等が所属する団体)が「資産所得倍増プラン」への提言を発表しました。
項目は以下の通りです。
1. (1)NISA制度の改善
(2)実践的な投資教育を推進する官民の体制と施策を体系化し、NISA法(仮称)と一体として法制化
2. (1)従業員持株会等への税制優遇措置
(2)従業員持株会の制度改善
3. 株式報酬制度(主にRS)の活用を促進するための制度改善
4. 確定拠出年金制度 (1)老後の私的年金水準の実質的な確保
(2)より多くの国民が私的年金に加入するための仕組み
(3)長期的な資産形成に適した仕組みの構築
5. (1)NISAの年齢要件を撤廃
(2)高齢者の資産を子供世代が代理人として運用する「家族サポート口座」(仮称)
6. 個人向け「GX経済移行債」(仮称)の発行
実際に一つ一つ読み込んでいくとかなり具体的で、僕も大変参考になりましたし、どのように実現に向けて貢献すべきか、考えさせられました。
国や企業、金融機関が一体となって取り組むのはもちろんですが、弊社のような超小規模のFPオフィスや個人FPなどが担う役割も大きいと考えられます。
実現に向けて特に重要なポイント
「所得倍増プラン」を実現させるために特に重要なポイントは、「金融教育」「制度の拡大と利便性向上」「企業や金融機関などにとってのメリット」だと考えています。
まずそもそも、現預金を投資・資産運用に向かわせるには、金融教育が欠かせません。
適切な金融教育によって国民の金融リテラシーをアップさせ、投資に対するネガティブな感覚などを取り除いてあげる。
このステップがない限り、どれだけメリットがあると思っても新たな一歩を踏み出せる人は多くありません。
実際、日本人で投資をしている人は、全体のたった20%なのです。
次に、制度の拡大と利便性向上です。
提言でも書かれていますが、今のNISA制度は複雑過ぎ!
成人は一般NISAまたはつみたてNISAの選択制で、利用できる期間も異なり、一般NISAは2024年から「新NISA」に切り替わって更に複雑になります。
加えて未成年者はジュニアNISAがあり、2023年末で廃止予定。
だれがいつどのタイミングで何を活用すべきなのか、とても分かりづらいですし、始めるタイミングや年齢でメリットに違いが出てしまうのも問題です。
もっと分かりやすく一本化すべきですし、そもそも利用期限などを設けずに恒久化すべきという意見が前から出ています。
ここは、早急に見直すべきだと思います!
そして次は「企業や金融機関などにとってのメリット」。
これをどんどん書いていこうと思ったのですが、、、
めっちゃ長くなりそうなので、次回に続きます。ごめんなさい!
ぜひ次回も読んでみてくださいね^^
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
安藤 宏和