こんにちは! FPオフィス「あしたば」のファイナンシャルプランナー・安藤宏和です。
今日はFPとしての独り言のブログを書きます。
テーマは、独立系FPオフィスである弊社「あしたば」が、なぜ投資信託や保険などの金融商品を販売するのか。
最近いろいろありまして、、、この点につき、改めて見つめ直そうと思ったのです。
FPは、大きく3つのタイプに分かれる
「お金の相談」業務をするFP(ファイナンシャルプランナー)は、大きく3つのタイプに分かれます。
- 金融機関に勤め、金融商品の販売をメインの仕事にするFP(企業内FP)
- 投資信託・保険・不動産等の販売で収入を得る、金融機関に所属しない独立系FP(商品販売型)
- 商品を販売せずに相談料や講演料などで収入を得る、金融機関に所属しない独立系FP(フィーオンリー型)
日本で一番多いのが①の企業内FPで、約8割がそこに当てはまると言われています。
また、独立系FPの中では②の「商品販売型」が大半。
③のように商品を一切販売しない「フィーオンリー型」と言われるスタイルで事業を継続しているFPは、ほんの一握りです。
(正確なデータがないので僕の肌感覚ですが、全国で500名もいないと考えられます。)
つまり、日本のFPビジネスは「商品の販売による手数料収入で成り立っている」というのが現状なのです。
相談業務をするのに、なぜ相談料が発生しない?
あなたも一度は経験があると思います。
FPを名乗る人から「無料相談できますよ」と声をかけられたり、WEBや雑誌の広告で「無料FP相談実施中」という文字を見かけたことはありませんか?
冷静に考えると、ちょっと変ですよね。
FPは「お金の相談」業務をなりわいとしているのに、それが無料。ボランティアじゃないはずだし、どこでお金を稼いでるの?と。
もちろん、ボランティアではありません。彼らはビジネスとして相談を受けています。
じゃあどうやって収入を得るのかというと、それが商品。
なので必ずと言って良いほど商品を提案しますし、むしろそうしないとビジネスとして成り立たないのです。
つまり、日本においてFPビジネスは、「最初の相談を無料にして、最後に商品を販売することで収入を得る」というモデルが定着しているわけですね。
商品販売が前提となっている理由
「相談料をちゃんともらえば良いじゃない」と思った方もいるでしょう。
確かにそうかもしれませんが、これはある意味仕方ないこと。
なぜかといえば、日本では「お金の相談に対して報酬・費用を払うという文化が定着していない」から。
これは、長い間商品販売を前提としたビジネスモデルを貫いてきた金融機関等に問題があると思いますが、日本人のみなさんは商品に手数料や利益が含まれているのはさほど気にしなくても、アドバイスに対してお金を払うのは嫌う傾向にあります。
日本は諸外国と比較しても「形がある物」に対して価値を感じる国民性で、アドバイスという完全な「無形」のサービスには価値を感じにくいとも言われているので、それも大きいでしょうね。
なので、基本的にFPは「相談は無料→商品販売で収入確保」というビジネスモデルにせざるを得ないというわけです。
FPは、商品を販売するべきではない?
「最後にどうせ商品が出てくるのか」と思うと、何か悪いイメージになりますね。
でも決して、FPが商品を販売すること自体は悪くありません。
むしろ、顧客の立場で本当に必要な商品を販売して、将来のための資産作りやリスクに備えるための「プラン実行を支援すること」は、FPとしての責務であると思うからです。
しかし、世の中にはあまりよろしくない販売スタイルをとっているFPもいるようで、、、
FPを名乗りながら「自分の売上のために」保険や不動産をゴリゴリ売りつけるような人の話も、正直よく耳にします。
こうしたやり方をする「顧客本位でない」FPは“悪”と言って良いでしょうし、本当にこの業界からいなくなってほしいと思います。
そんな人たちがいるから、金融業界にネガティブなイメージを持つ人も多いので!
安藤の理想像は「ハイブリッド型」の独立系FP
弊社は独立系FPオフィスですが、前述の「商品販売型」と「フィーオンリー型」のどっちかというと、両方!
僕は勝手に「ハイブリッド型」と名付けています。
基本的に「お金の相談」は無料とせず、金額は抑えめの設定ですがアドバイスに対して対価をいただく有料のサービス。
それに加え、お客様のご要望に応じて商品の申込手続きまで完結できるよう、投資信託や保険を取り扱っています。
※金融商品仲介業(IFA)と保険代理店の登録事業者です。
「商品で手数料をとるのに、相談料もとるのか!」と思われるかもしれませんが、相談料をとるからこそ、お客様にとってベストな商品が提案できます。
相談無料で商品販売を前提としていたら、基本的に「できるだけ自分の収入に繋がる商品を販売しよう」という意識になりがち。
でも私たちは相談料をもらっているので、商品の申込にいたらなくても全く問題なし。
だから本当に必要なものしか提案しませんし、そもそもお客様からご希望がなければ提案せず、むしろ希望されても本人に必要ないと判断すればキッパリ「やめておきましょう」と言えるのです。
このハイブリッド型・独立系FPとして、中立的な立場からお金に関する様々な分野のアドバイスをすることで対価をいただき、併せて必要に応じて商品を販売して「プランの実行支援」をする。
これが、今僕の考える理想のFP像だと考えています。
【最後に】商品販売型であることにモヤモヤしているFPさんへ
「商品を売るためにFPをやりたいわけじゃない」と現場で悩むFPも多いように思いますが、やり方さえ間違っていなければ全然OK!と伝えたい。
「FPからアドバイスをもらえば、あとは自分で良い商品を探して自分で申込手続きを完結できる」という人が、世の中にどれほどいるでしょうか?
僕の経験則から言えば、ほとんどいないですよ。本当に。
多くの人が日々、仕事や家事やプライベートで忙しくしている中、目先のことでなく中長期的な資産作りや備えのために「時間を割いて調べる・人に聞く・手続きまで全部やる」なんて人は、明らかに少数派です。
仮にそれが出来てもプロではないので、せっかく始めた積立投資をすぐやめてしまったり、途中の株価暴落時等に感情的なアクションをしたり、「失敗」で終わる可能性が高くなります。
そういった意味で、「最初に背中を押す」「続けている途中も寄り添い、守る」「終盤の出口戦略までしっかりサポート」という役割を担うべく、FPが商品を販売することは必要不可欠といえるのです!
苛烈なノルマや顧客本位でない販売スタイルを強制される職場だったら、それは環境を変えた方が良いかもしれません。
でもそうでなければ、自信をもって堂々と、お客様にとって必要な商品を提案して差し上げましょう!
あなたのサポートを必要としている人、待っている人は、周りを見渡せば本当にたくさんいるはずですよ。
なんだかんだで、長文になってしまいました^^;
いかがでしたか?
一般生活者の方にも、現在FPの仕事をしている方にも、これからFPになりたい(資格をいかしたい)という方にも、一度考えていただきたいテーマでした。
もし思ったこと・感じたことがあれば、ぜひ教えてほしいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
安藤 宏和