涼子’s room
FPオフィスあしたば FP福永涼子のブログ
コーヒー

コーヒーはこころで味わうもの

私には、とてもありがたいことに、年齢性別問わずたくさんのコーヒー仲間がいます。
みんないわゆるコーヒーラヴァーで、個性的な方ばかり。

たぶん、みんなお互いに「ちょっと変態だよね」と思いながら(笑)、
それでもなぜか自然に受け入れ合える、そんな関係性です。

みんなコーヒーが好き過ぎて、そこで繋がっているのは間違いありません。

1年ぶりの再会


いつもの私の得意技ですが、思い立って!
東中野にある7Coffee Beansさんに伺いました。
https://www.instagram.com/indian_coffee_7/

弊社の12月17日開催予定のセミナー
https://ashitaba-mirai.jp/events/event/20221217comgest
にて、7Coffee Beansさんのコーヒーを、
参加者のみなさんに味わっていただきたいという目的もあり、改めてお話をお聴きしたく。

彼女との出会いは、昨年の5月。
チャレンジコーヒーバリスタという障がいのある方たちのバリスタコンペティションに、
お互いボランティアとしてお手伝いをしていたのがきっかけでした。

とても物腰柔らかい落ち着いた大人の女性という第一印象で、
「これまで出会ってきたコーヒーラヴァーにはいない感じの方だな、いわゆる個性が強すぎない普通の(どういう意味?)人なのかも」
と、勝手に思っていました。

ところがです!
実は、かなりのコーヒー愛を心に秘めた、ぜんぜん普通じゃない女性だということがわかり、
やっぱりそうだよね~、と変に納得する私なのでした。

コーヒーが大の苦手だった彼女が焙煎職人さんに


彼女は、もともとコーヒーが嫌いだったそうです。

ですが、ご縁があって結ばれたご主人様は、
なんとインドのコーヒー農園を持つインド人の息子さん。

結婚当初は、ご主人様のご実家に行った時に「コーヒーが苦手でとは言えず・・」
と笑って話してくださって。

それがいつしか、彼女がコーヒー焙煎を手掛けるようになり、
今はインドの農園から直輸入で新鮮なコーヒー生豆を仕入れて、丁寧に焙煎されています。

なぜ、その道を選ばれたのか?とうかがうと、
「実際のインドの美しい農園に魅かれて」
「コーヒー苦手な私でも美味しいと感じられるコーヒーをつくりたい」
とのこと。

たしかに、彼女のコーヒーはとてもすっきりしてクリーンな印象。

きっと、ひとつの飲み物としてコーヒーを捉えていた視点から、
壮大な異国の地にあるコーヒー農園でできる貴重な農作物であるコーヒーの価値をいかに伝えられるかという視点に変わられたのではないかな?

と勝手に思っています。

コーヒーの収穫は大半が手摘み

インドのコーヒー農園には、100種類以上の樹木や植物とともにコーヒーの木が育っています。
いわゆる森林栽培なので、野生のゾウやトラなども普通に生活しているとのこと。
まさに、しかるべき生態系がしっかりと機能しているのだと、感じざるを得ません。

このようなコーヒー農園では、コーヒーの実を収穫する際に機械が入るスペースが十分に確保できないため、すべて人の手で収穫されます。
いわゆる手摘みです。

世界各国のコーヒー生産地で見ても、実は多くは手摘みで収穫されています。
コーヒーの木というのは、インドの農園のように森林の中で育っていたり、比較的標高の高い山の傾斜地に植えられていることも多く、
そうなると人の手で摘むしかない環境であったりします。

ちなみに、1本のコーヒーの木から採れるコーヒーチェリー(コーヒーの実)は約3kgですが、
そこから精選、加工を経て実際にコーヒー豆になった時には約400g(焙煎後)になります。

要は、生産者が手摘みで3kgのコーヒーチェリーを収穫して、そこからできるコーヒーは400gしかないのです。

収穫の際に、どれだけの労力がかかっているかと考えると、
1杯のコーヒーがとても貴重に感じられます。

焙煎前の生豆の選別もポイント


コーヒーは、コーヒーチェリーの果実部分を取り除き、生豆になった状態で生産国から消費国(日本など)に運ばれてきます。

焙煎する前のコーヒー生豆は、青白っぽい色をしています。

焙煎することで、いわゆる皆さんが知っている茶褐色のコーヒー豆になります。
コーヒー豆はもともと茶色いものと思っている方も少なくないかもしれませんね。

そこで、生豆を焙煎する前に大事な作業がひとつあります。
それは、ハンドピックと呼ばれるもの。
ハンドピックとは、味を損なってしまう原因となる虫食いやカビ豆などの欠点豆や混入している石などを取り除く作業です。

それは相当な集中力と根気が必要な作業なのですが、
彼女はその仕事を障がい者施設の方々に一部お手伝いしてもらっているとのことです。

そして、ご自身の焙煎所に定期的に招いて、一緒にそのコーヒーを味わうそうです。
「自分たちが関わったコーヒーが一番おいしい!」
笑顔があふれるとのこと。

そりゃあもちろん!一番美味しいですよね。格別ですよ。
そしてまた、良い仕事につながるモチベーションにもなるかと。

コーヒーの世界では、障がいのある方の活躍の場が比較的あると感じています。
ハンドピックのような生豆の選別から計量、コーヒーのドリップ抽出など。

様々な背景を持つ仲間が共有できるものがある、
こういったコーヒーの世界も私はとても気に入っています。

たくさんの心がこめられた産物


普段飲む1杯のコーヒーに、あれこれと思いを馳せる人は、
おそらくほとんどいないのではないかと思います。

かく言う私も、毎回コーヒーを飲むたびに、思いを馳せるわけではありません。
ひとつの「飲み物」として飲むことの方が大半です。

ですが、今回のインドコーヒーの話からも感じていただけるように、
私たちの手元に1杯のコーヒーが届くまでには、

生産国の農園の方々、焙煎の手前の生豆を選別する方々、焙煎をする方々、販売をする方々と、
多くの人の手と時間と気持ちがかけられます。

私はよく「コーヒーと話ができる」と冗談まじりに言うことがありますが、
実はわりと本気な発言で(笑)

コーヒー豆を見ると、その表情で喜んでいるか悲しんでいるかがなんとなくわかる気がしています。

育てられる時から焙煎に至るまで、丁寧に手をかけてもらってきた(であろう)豆と、
そうではない(ような気がする)豆は、その表情に違いがあります。

そして、飲んだ時にさらにそれが感じられる。

コーヒーに限られることではないと思いますが、
心を込めて手をかけて丁寧に育てられ扱われたものは、やはりそれ相応の価値を感じることができます。

彼女のインドコーヒーは、とても奥行きの感じられるコーヒーのひとつです。

良きご縁に感謝です。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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