こんにちは。あしたばFPの安藤です。
ニュース等で耳にした人も多いはずですが、2023年10月から「ふるさと納税」に関するルール変更があります。
結論、9月末までに駆け込みで利用する(地方自治体に寄附する)ほうがオトクな可能性が高いので、なぜそうなのかザックリ解説しておきたいと思います。
ふるさと納税とは
- 自らの意思で、応援したい自治体に寄附(納税)できる
- 寄附した自治体から最大30%相当の「返礼品」がもらえる
- 寄附した金額のうち2,000円を超える分が、負担する所得税・住民税から減税または還付される(収入等により一定の上限あり)
ふるさと納税は、ザっとこのような仕組みです。
例えばですが、50,000円を好きな自治体に寄附して15,000円の返礼品をもらい、最終的に48,000円減税されるので、
「2,000円の自己負担で15,000円相当の返礼品をGETできる」
明らかにオトクな仕組みなわけです。(あくまでも上記は一例で、上限もありますし必ずこのようなメリットになるとは限りません。)
今回の改正の背景
ふるさと納税は紆余曲折を経て2008年からスタートした制度ですが、これまでいろいろな問題・課題が発生し、それらを改善しながら現在に至っています。
一番有名なところで言うと、寄附額に対する返礼品を高額にしてお金を集めようとする自治体が増加したこともあり、2019年6月から「寄附金額に対する返礼品の金額の割合は30%まで」と改正されました。
その際、返礼品そのものだけでなく送料や事務手数料等の諸々の諸経費を含めた割合は「50%まで」となりました。
しかしながら、この“諸経費”の定義が曖昧だったため、「隠れ経費」といわれるようなものを入れると50%超になるケースが多い状況だったようです。
そこで管轄省庁の総務省は、諸経費に関するルールが厳格化することにしたのです。
2023年10月からの変更点(諸経費50%ルールの改正)
(出所:ふるさとトレンド)
では、2023年10月から何が変わるのか、具体的に見ていきましょう。
いくつか変更点があるのですが、この記事では前述の諸経費に関するルールだけにスポットライトを当てます。
結論から言うと、ふるさと納税制度の自治体が負担する諸経費に関するルールが変更され、同じ寄附金額に対してもらえる返礼品の金額(返礼率)が減る可能性が出てきました。
今回の改正で、これまで「隠れ経費」と言われていた下記費用を「全部含めて50%以内にしなさい」となったのです。
・ワンストップ特例の事務手続きにかかる費用
・寄附金受領証の発行および発送費用
・その他の付随費用
イメージとしては上の図が分かりやすいので拝借しましたが、自治体からすると寄附してもらった金額の中でコストが上昇するので、ある程度は寄附者に負担してもらうのはやむを得ないと判断するケースが多いでしょう。
具体的には以下のような可能性が考えられます。
例①)
現在:寄附金10,000円に対して3,000円相当の返礼品 →10月~:寄附金10,000円に対して2,500円相当の返礼品
例②)
現在:寄附金10,000円に対して3,000円相当の返礼品 →10月~:寄附金12,000円に対して3,000円相当の返礼品
同じ寄附金額に対して返礼品の内容が悪化するか、同じ返礼品に対して寄附金額が高くなるか、どちらかということですね。
いつまでに寄附すればOK?
ということで、ふるさと納税制度は2023年10月の改正よりも前に利用したほうがオトクになることはほぼ間違いないと言えそうです。
(9月末までに寄附をすれば、返礼品の発送・到着タイミングはおそらく影響しないと思われますが、確実とは言えません)
ただ、実際は9月時点で既に「隠れ経費」を含めた経費割合に変更している(もしくは元々含めていた)自治体もあるようで、10月以降に寄附をしても変わらないケースもあります。
劇的な変更・改正ではないとも言えますし、無理に急いで寄附をしなくても良いかもしれませんね。
いずれにせよ、改正後もふるさと納税制度はオトクな仕組みなので、物価上昇(インフレ)が続く昨今においては、ぜひ多くの方に利用していただきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
安藤 宏和