経営者として

厳しい環境におかれた経験が、経営者を強くする(中華街Sさん・後編)

昨日のブログの続編です。

横浜中華街で鮮魚メインの中華料理店を経営するSさんとの飲みで学んだことを綴ります。

経済的に厳しい幼少・中高生の時代を経て、大学に入学。

大学在学時に2年間、中国の大学へ留学して中国語スキルを飛躍的に向上させます。(日中ハーフなのに中国が苦手だったエピソードは前回の通り)

留学ちゅには大手広告代理店にインターン入社し、その時の実績を買われて同社の内定も獲得したとのことです。

そんなところに、またしても試練が。

お父様が脳の病気を患い、入院してしまったのです。お父様は鮮魚店を経営して非常にハードな仕事をこなしており、数週間にわたりずっと調子が悪いとのことで病院にいったところ、即入院に。なんとか退院できたものの、これまでのハードワークを医師から禁じられました。

Sさんには2人の妹さんがいますが、前回もふれた通り家計は学生のSさんが支えている状態。そこにきてお父様がこれまで通りの働き方ができなくなってしまったので、このままでは妹さん達の進学が危ぶまれる事態となってしまったのです。

そこでSさんが下した決断は、お父様の鮮魚店を継ぐというもの。

大手広告代理店に就職できても、会社員としてエリートとはいえ新卒の初任給は20数万円程度で、とても妹さん2人の学費を捻出できるわけがありません。

妹さんたちのために何としても稼ぐ!と覚悟を決めたとのことです。

そうして鮮魚店をなんとか切り盛りし、自身で軌道に乗せると、今度は鮮魚店の経験や仕入れルートをいかした中華料理店を開業。

これがまた支持を得て伸びていきます。

そうしたタイミング(7~8年くらい前)で僕は知り合ったのですが、とても誠実で好青年という印象と同時に、非常にバイタリティのある「仕事ができる経営者」という印象でした。

前述のエピソードを聞いて、合点がいきましたね。

で、そのまま順調にいくかと思いきや、次に待っていた試練がコロナです。

売上は激減。それでも雇用を維持して給与の支払いも続けたため、今まで何とか築いてきた個人資産は3か月ほどで底をついてしまったようです。

事前に「3か月はなんとかこれまで通りにするけど、その後は協力してもらうかもしれない」とスタッフ陣に伝え、それを実行しながらも本当に底をついた時にはスタッフ陣自ら給与を下げてくれと進言があったようです。

聞くと、中華街とかで働くコックの引き抜きとかはせず、中国に出向いて口説きビザ取得までサポートする「ガチの一本釣り」で獲得した人財なんだとか。

それだけ信頼関係もあるのでしょうね。

そうした時期もなんとか乗り越え、ようやく人が戻ってきた中華街で、今は大忙しのご様子です。

年度末の超繁忙期が終わり、ちょっと時間に余裕ができたタイミングで僕が食事のお誘いをしたみたいで、ほんとご縁を感じました。

(僕はこういう人の縁だけは「持ってる」自身があります笑)

僕は中華街でお店を経営する人を何人も知っていますが、Sさんほど誠実でバリバリ働く真面目な人はそう多くないと思います。

ご本人からエピソードを聞きましたが、中華街でも2代目とかだと「ボンボン」な経営者もいて、毎日飲み歩いて二日酔いみたいなケースもあるんだとか。確かに、そんな噂は父とかいくつかのルートから聞いてました。

(自分も気をつけなきゃ。。。)

彼の真っすぐな目と、バイタリティ。これはいくつもの厳しい環境を経験し、それを乗り越えてきたことによって培われてきたのでしょう。

僕が一番学んだのは、その「アニマルスピリット」とでもいう精神。

ここでは割愛しますが店舗運営や食材の仕入れ・料理の品質・価格設定なども含め、仕事へのこだわりや愛を随所に感じますし、めちゃくちゃ共感しました。

それを更に良くしていこう、将来的にはこうしていこうとビジョンも当然あって、流石だなあと。

最近の僕にとって欠けていたものを呼び覚ましてくれるような機会になりました。

その後、2軒目には僕のお勧めの居酒屋にちょこっと行って、お開き。

いや~本当に勉強になったし刺激をいただきました!

Sさん、本当にありがとうございましたm(__)m

この貴重な飲みの経験を、今後の経営に必ずや生かしていきます!!

 

読者のあなたも、最後までお読みいただきありがとうございました。

安藤 宏和

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