ウェルビーイング

お金と感情

今回もファイナンシャル・ウェルビーイング(FWB)について綴ろうと思います。

前回、「FWBとは」というテーマで言葉の意味を解説しましたが、「お金について不安がなく、管理できている状態」のことでしたね。

ですが、「どのくらいあれば不安がなくなるのか」「どの程度の管理がベストと言えるのか」そのあたりは人によって捉え方が異なります。

そもそも、人によってあらゆる面でお金の感覚は千差万別なわけです。

なので答えを追求しても仕方ないと言えばそうなのですが、僕自身FP兼経営者としていろんな人と接する中で、お金に関する「多くの人に課題を突き付けるテーマ」があり、今回はそこについて書きたいと思います。

「お金」は、様々な要素を持つ

FPとして多くのお金の相談をお受けしていて日々思うことですが、世の中には本当に多種多様な価値観や働き方の人がいて、1人して「全く同じ」という人はいません。

人が日々生活する上で食費や光熱費などにお金を使いますし、趣味や旅行を楽しむにも、学校などで教育を受けるにもお金が必要。

どんな生活や進路を歩むかで、かかるお金は全く変わりますね。

また、お金は仕事で培った経験値を評価する尺度だったり、生み出した付加価値の対価という側面もあります。

得られる収入が人によって異なるのはもちろんですが、収入からどれだけ貯蓄にまわしたり投資・運用にまわすなど、コントロールの仕方も人それぞれ。

もうほんと、いろんな要素が複雑に絡みあいます。

お金には感情が付いてくる

そんな中で、多くの人がお金について様々な感情を抱きます。

「今日はとっても安く野菜を買えて嬉しい」

「今夜はだいぶお金を使ったけど、美味しいディナーで大満足」

「電気代がどんどん値上がりしてる。今後どうなるのか不安。。。」

「手元に1000万円くらいはあるけど、老後が心配。来月からもっと貯蓄に回そう」

「仕事の成果が評価されて昇進した!でも、大学の同期と比べたらまだまだ給料が低いなあ」

「プロ野球選手みたいに何億円とかもらえたら、どれだけ良い生活ができるのだろう」

僕が思い付きであげた例ですが、こんなふうにいろんなシチュエーションでお金と感情はセットになっていますよね。

人はどれだけお金があれば満たされるのか?

こうやって見ていると、気付くことがありませんか?

最初の2つはポジティブな事例にしましたが、残りは明らかに「ネガティブな感情」ですよね。

不安、心配、不満足、嫉妬、羨み などなど。

おそらく、そういう感情のほうが「分かる」と共感してしまう人も多いのではないでしょうか。

僕は金融業界に長くいますが、業界自体がそうした感情を煽る傾向にあります。

それだけでなく、資本主義の世の中では「お金を稼ぐ」=競争ですから、自然と前述のような感情が伴ってきます。

そんな世界において、多くの人がなんらかの側面で「お金が足りない」と思っています。

「どれだけお金があれば満たされるのか」というと、人間の本質からしてほとんどの人が「いくらあっても足りない」のです。

稼いでも稼いでも、貯めても貯めても、ふやしてもふやしても、「まだ足りない」という状態に陥りがち。

これが、「お金」という存在の恐ろしいところですね。

昨日、僕が大変お世話になっている税理士さんと食事をしていて、このテーマを投げかけてみました。(税理士といっても何十名の社員を抱える経営者でもあり、年収2000万円を軽く超えている方です)

「そうだよねえ、経営者でけっこう稼ぐ人もみんなもっと稼ごうとかするしお金好きだよね笑」

「5億円くらいの資産じゃだれも満足できず、50億円くらいでやっとじゃない?」

そんなふうに仰っていました。

彼は税理士として本当に多くの経営者を見てきたわけですが、ビジネスで厳しい競争の世界でしのぎを削る経営者こそ、お金に対しては「邪心」のようなものが出てきがちなのかと思います。

なんでもそうですが、「足るを知る」って実践するのはめちゃくちゃ難しいなと。

僕自身、もちろん何億円とか稼いではいませんが、どんなに稼いだり貯めても「まだ足りない」と思ってしまうような気もするので、本当に恐ろしいです。

そうした感情から解き放たれ、「お金から自由になること」が、本当の意味でのファイナンシャル・ウェルビーイング(FWB)なのかもしれません。

こうした点をふまえ、人それぞれの価値観によりそったFWBは何なのかについて考え、伝え、多くの人のFWB実現をサポートしていきたいと考えています。

そのためには自分の経験値をアップさせる必要があるので、まずできることとして「あなたにとってお金とは?FWBとは?」という質問を、経営者を中心にいろんな人にやってみるつもりです。

いろんな人の価値観を聞いて学ばせていただくのが楽しみ!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

安藤 宏和

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